役員メッセージ

かつ便りNo.15 ~Who Moved My Cheese?~

 みなさま 田中かつゑです。いつも長期のお休み前には、お出かけや外食の妄想(予定ではない)を描くのですが、結局普段出来ない細かな隅をお掃除したり、ガーデニングに走ったり、家族とのご飯が嬉しくて作り過ぎたり…と変哲もない時間に費やす羽目になります。何故…

 みなさまは大切にしていた物・考え方・環境がガラッと変わって、自分自身で処理しきれない状態になったことありますか?(経験したくないですね…) 私は、あります。24歳の時に。簡単に言うと失恋なんですが。7年半も一緒にいた彼氏とお別れしました。当時、この事実は到底受け止められるものではなかったです。相手のご両親とも仲良かったし、当然結婚するものだと疑ってもいなかったし。けど、突然放り出されたわけで…。今となっては別れて良かったんですが、その時は辛かったです。まさしくヘムとホー(チーズはどこへ消えた?に出てくる小人) そのもの。

 実はあの頃のことは殆ど記憶がありません。自分の中で封印してしまったのだと思います。ちゃんと生活していたのか、食べていたのか、眠れていたのか、仕事出来ていたのか、感情は取り戻せたのか…。さっぱり思い出せないのです。凍っていたんでしょうね、心が。

 でも、結果としてヘムにはならず、ホーの道を選んだ。しんどいけど、次の(もっと美味しい)チーズを探しに行ったんです。簡単に言えば、専業主婦としてぬくぬく~の生活(元カレ、かなりお金持ちでした)が奪われたので、自分のご飯は自分で稼ごう、と心を入れ替えたに過ぎないんですが。ここで、やることもないので(デートの相手もいないし、家に帰って一人だと落ち込むし)仕事に邁進していたら、いつの間にか出来ることが増え、仕事が楽しく、成長していったという、まあ、つまらない話なんですが。

 もしかすると、スニッフやスカリー(同本に出てくるネズミ)になれば、もっと早く立ち直り、成長したのかもしれないけど、私にはホーの様に狼狽え・悩み・怒り・悲しむ時間が必要だったようです。

 この「Who Moved My Cheese?」は20年ほど前の本で、IBM・GM・APPLEなどが社員教育に使用したことで、日本にもなだれ込みました。周りの変化をいち早く掴み、次の手を躊躇わずに打ち、失敗を恐れず挑戦し続ける。そのために自身の行動も考え方も柔軟に、という、アメリカっぽい内容です。スペンサー・ジョンソン(筆者)らしいなあと思います。

 小さくて薄い本なので、20分もあれば読めてしまいます。ただ、内容を熟考すると、とんでもなく難しい。これを題材にワークショップが開催できる位、示唆に富んでいます。登場するのがネズミと小人っていうのも、あざといし、名前も嫌味だし。この本は評判になっただけあって、批評もたくさんありますが…批評するのって簡単なんですよね。あるものについて、色々言うのは比較的簡単なのですが。批評に加え、代替案や自分はこうするって確固たる指針を提示するのは難しいです。でも、自分の能動的な考えを述べないと「So what?」って言われそうです。

 家の本棚を整理していたら、偶然この本を見つけました。20年前の自分はどんな気持ちでこの本を読んで何を得たのかもう覚えていないんですが、素直に受け止めて、気持ちと行動の切り替えの為に外に刺激を求めようと、色々模索したことは覚えています。今改めてこの本を読んで、「変わる」事にも色々な時期・やり方・心構えがあるんだな、と改めてお勉強させていただいた次第です。

スペンサー・ジョンソン著、扶桑社

トップ画像:AKCreatifによるPixabayより