役員メッセージ

かつ便りNo.35 ~ダメと唱えると~

 みなさま 田中かつゑです。久しぶりに大山(1,252M)に登ったら筋肉痛。しかも二日後の方が痛い。体力の衰えをひしひしと感じます。塔ノ岳(1,491M)に登るのはまだまだ夢かなぁ…。

 今回は自戒も込めて、注意や指示をする際のTIPSを。

 さて、みなさまに質問です。3歳児に割れ物を持たせる時、どちらの声掛けをしますか?

A: 両手で抱えて大事に持っていてね
B: 落とさないでね。(落とさないで持っていてね)

 やりがちなのがBなんですが、この言い方だと大体に於いて、3歳児は落とします。残念ですが…

 私もBのパターンを頻繁に経験しました。その度に何故??と思ったのですが、やっと謎が解けました。それは、「【脳】は善悪・肯定否定が分からない」という保育士さんの言葉です。最初は、ウソッと思いましたが。

 何でも、脳は初めに入ってきた言葉に対して反応してしまうのだそう。結果「落とすな」だと「落とす」方向に身体をコントロールしてしまうとか。なので、子育て本では肯定の声掛けが推奨されているとのこと。

 さあ、解りましたね。自己暗示の方法が。自分の力を伸ばしてあげる方法のひとつが。そして部下を伸ばしてあげられる声掛けの言葉が。……と、都合良くいくのでしょうか。理屈は分かったような気がします。では、実行できそうですか?これですね、実は結構難しかったりします。何故でしょう。それは、肯定の言葉を使うということはこちらが答え相当を持ち、それを具現化して伝えなければならないから。

 先ほどの割れ物を3歳児に持たせる場合で考えてみましょう。肯定的な言葉というと言いがちなのが「しっかりと持って」になりませんか?3歳児に「しっかり」が具体的に分かるでしょうか。疑問ですね。

 声掛けで難しいのがこの「相手のレベルに合わせ、相手が理解できる言葉を選択して簡潔に伝える」ことなんです。そして、声掛けをする時は時間も心も余裕がないのでそんな事できません。結果ついつい、やって欲しくない事を声に出してしまう。その結果が…意図しない方向に進んでしまう。となります。

 自己肯定も同じロジックです。素晴らしい自分って何?どんな状態?が具体的に思い描けないと自分を褒める言葉が見つかりません。そうなると褒める言葉そのものが偽善めいてくるし、自分を褒めている実感が湧くことができず、肯定しているの?になりがちです。

 一人ひとり、なりたい姿は違います。自分で自分なりの素晴らしい姿を是非見つけ、強く念じて欲しいです。そして、その姿に近づけるよう自分の良い所を見つけ出し、褒めてあげて欲しいのです。部下に対してはまず観察。その人の特徴・得意な事・性格・興味の方向。それらをじっくり見極め、その人なりの良い所をピックアップする。前提として部下に興味を持つことです。ここが結構難しいかも。そして、具体的な行動や仕事の中身、考え方を褒めること。これらの思考の習慣を訓練していくと、有事や時間がない時でも比較的すんなりと肯定的な声掛けが出来るようになります。 

 もっと言ってしまうと、失敗や怠惰、後回しにすることさえ、時として肯定に結び付けることもあります。失敗することで経験値が増えます。時には怠惰になることで張り詰めた心をほぐす効果が生まれます。後回しにするのは、ひょっとするとまだ自分にその実力が備わっていないのかもしれません。このように多々な出来事を前向きにとらえ、文字通り前に進んでもらいたい。そう思っています。