役員メッセージ

かつ便りNo.62 ~一人の時間~

 みなさま 田中かつゑです。気温が下がってくるにつれ、ニャンコの食事量が増えます。体温を保つために、沢山食べるのね、と思います。そして、寝ている時間が増えます。体力を使わないためね、と納得します。……人間が同じことをしたら絶対に太る!動物の不思議???

 私は十八歳から一人暮らしをしていたので、家事をサボると悲惨だということが分かっています。腐りかけの食べ物がある冷蔵庫・汚れがこびりついた台所や水回り・明日着る服がないタンスなど、自分がやっていなかった結果がそのまま自分に跳ね返ってきますので。(何度も同じことを繰り返してやっと学習しました)。
 また、体調を崩した時の心細さも身に染みて感じています。友人に連絡する気力も湧かず、数日臥せったままの状態だった時は真面目に怖くなりました。さらにすべてが自分起点で責任を取らなければならないこと、自分の身を守るのは自分だけだという事も分かっているつもりです。

 ただ、それらは裏を返せば全て自分の思い通りになるという事。自分で一日の使い方を決め、食べたい物を食し、趣味に没頭し、心行くまで睡眠をとる。もちろん自分へのご褒美も忘れず、誰にも文句を言われない至福の時です。あの頃は多分自分自身が大好きで、自分の時間を謳歌していたような気がします。

 ところがそんな生活も自分以外の人と暮らすことで終わりを告げ、早35年以上。一人の時間が皆無になりました。いつも誰かの世話をし、一人でやるのは家事。それも追い立てられるように没頭。毎日続く日常を保ち続けるための見えない努力と気配りの積み重ねが延々続き・・・気が付けば一人の時間の過ごし方を忘れてしまった自分がいます。さらに恐ろしい事に、時間だけでなく食べ物・着るもの・好みまで私以外の誰か(息子・娘など。時々ニャンコ)が基準になったりしているのです。買い物に出向いても、息子・娘が好きそうなものに目が行き、ペットショップコーナーではおもちゃの前で悩み、お洋服を見るときも紳士服売り場が中心となり…自分が能動的に「欲しい・やりたい」と思う事が無くなってしまった事を発見しました。ここ数年の間に子供たちも独立し、さて自由になる時間が出来たかと思いきや、何故かウキウキしない。ポカンと空いた心の穴が埋められないような変な感じです。困りました…。

 そんな悶々とした時間が過ぎる中、追い打ちをかけるCOVID-19。私がすべき次の事は家の中を清潔に保つ事と、自分や家族が陽性にならない事に限られました。出来るだけ他の人と離れ、静かに過ごしてはいますが、外出もままならず、見えない不安を抱えながら過ごしていると、息苦しさを感じます。身近にいる方か感染したこともあり、鬱々としてきました。そして「心が楽しめる毎日を過ごしたい」と強く思ったのです。その時の私は、この状態が続くことに対し危機感を覚えていたのかもしれません。

 そこで私は人混みを避けつつ清々しい空気に触れ、出来れば富士山に癒されたいとハイキングを再開しました。もちろん目的地までの移動は公共機関を使わず車です。

 出発始は殆ど日の出に合わせ、他の方々と一緒にならぬ様にします。登山場所も出来るだけ人気が無い山を選びます。人目を避けこっそりと山に登り、深呼吸で綺麗な空気を思い切り吸って、運が良ければ富士山を拝め、心地よい身体の疲れと共に帰宅します。家に帰れば、温泉気分を味わいます。ゆっくりと湯舟に浸かり筋肉をほぐします。運動で流した汗は心地よく、ストレスも洗われるようです。

 こうやって、身体を動かし、頭を空っぽにして自然に触れていくと、段々と自分の気持ちが落ち着いてきました。そしてやっと、何か新しい事をしたいな…と思うようになってきたのです。

 まずは、今週末には先日インドの友人に教えてもらったチャパティを焼いてみます。それを皮切りにインドことを少し勉強してみたいなと思います。日光で有名な【見ざる言わざる聞かざる】はインドでは【See no evil, Hear no evil, Speak no evil (Three wise monkeys) by Gandhi】だそうですよ。