みなさま 田中かつゑです。寒い日のニャンコの寝姿はまん丸です(アンモニャイトと言います)。それがヒーターを点火すると徐々にほどけ、最後はびよーんと伸びます。私はこれをニャンコアコーディオン現象と呼んでおります…。
昔、社会人になって数年の怖いもの知らずだった頃、私は意欲的に仕事に挑戦する反面、好き嫌いが激しい傾向がありました。しかも嫌いな仕事を直感で嗅ぎ分け、理由もなくやらない、つまりは他の人に肩代わりしてもらうという、鼻もちならない癖をもっておりました。今思い出すと顔から火が出ます…。この考え方を改めたのは、実は長男が生まれてから、ある出来事がきっかけでした。
ご存じの通り、赤ちゃんのお仕事は栄養を摂取すること、眠ること、排せつすることの3つが大きな柱であり、それが滞ると、泣くということで周囲の助けを求めます。非常にロジカルに言えば、この何らかの阻害要因を排除すれば、赤ちゃんは泣き止み仕事に邁進するはずです。ところが筋書き通りにはいきませんでした。
長男は性格が穏やかでとても育て易かったのですが、夜泣きがある一定期間続きました。新米ママの私は不安で心配で、色々な情報を漁り、泣き止む術を模索しました。でも結果は徒労。彼は3ヶ月間程毎夜泣き続けました。疲れ切っている私は段々と余裕がなくなり、人の話に耳を傾けることも出来ず、長男と2人で孤立状態でした。あのままだったらもしかして私の心は危なかったかもしれません。
ある日、保育士さんに夜泣きの話をぽろっとしたところ、彼女はこう言ったんです。
「長男くん偉いねえ。昼間に色々なことを見たり聞いたりしているんだね。だから頭の中がいっぱいいっぱいになっちゃって泣くんだね。おかあさん、お辛いでしょうが夜泣きの辛抱は数か月です。長男くんの知識は今すごい勢いで増えているはずです。おかあさんはそのあと押しをするために、彼に安心を与えてあげてくださいね。一番良いにはおかあさんが、眠ってしまう事ですよ。」
なんだか禅問答みたいなセリフですよね。けれど私には救いの神でした。そうか、私が安心を彼に与えつつ、私自身が眠れるような工夫をすればいいんだ、と。
その日から私はラッコ寝で、彼と寝ることにしました。中々上手くはいきませんでしたが、私の心音とぬくもりで安心したのか徐々に泣く時間が減り、私も何とか彼の夜泣き卒業を迎えられました。(子育てお母さんはご存じと思いますが、すぐに次の試練が待ち受けております…)
この経験で考えたのは、こんなことです。
- 真っ新な状態の赤ちゃんは情報を分け隔てなく吸収する
- その中で(多分)自分の頭で整理整頓をしている
- 今は処理能力が追い付かなく、泣くという行為に現れているが、処理できるようになるとそれらを、彼なりの方法で出力していくプロセスとなる。
これを私の発展途上の仕事に置き換えてみたのです。すると、1.の部分で私に致命的な欠点があるのが発見出来ました。それは、
今の私は入力の蛇口を閉めてしまっている
⇒ 好き嫌いなく何でも吸収しないと3のプロセスに行かない
ということです。
もちろん、今経験をかなり重ねた今では情報の取捨選択が必要なのは承知です。ただ、自分がその仕事に未熟な時、自分のスキルが発展途上であると自覚している時は、トライする前に好き嫌いは判定しない方が良いと思うのです。赤ちゃんが色々なことを吸収しながら、自分自身の得意・好きを形創っていくように、その人が未成熟である状態の時は、まずはやってみる、上手くいかなかったらもう少し。そして好きな要素が見えてきたらまたもう少し。そうして、見聞きし経験値が高まれば、直感も冴えてきますし、明確な成果を導き出すことも出来ます。あの数か月は辛かったけれど(本当は数限りなくこのようなエピソードはありますが)自分を成長させてくれた貴重な時間だったと思うことにしています。