役員メッセージ 家族、友人、周りの方々との関係

かつ便りNo.77 ~指示代名詞~

 みなさま 田中かつゑです。9匹の中で、とても食欲が旺盛な仔がいます。加え、食べるのが早いので、他の仔がゆっくりと食べられるようその仔はケージでお食事をしてもらっています。本人も慣れたのか「ご飯よ」とみんなに声掛けすると、この仔はさっさとケージに移動。賢いねぇ。

 先日、同じ世代の友人たちとお茶していた時、誰かが物忘れの話題を振りました。そうしたら出るわ出るわ…こんな感じです。(ちなみにメンバは50代後半から60代前半の年代)

  • 短期記憶が衰えてきた。人の名前がすぐに出てこない。
  • 道案内をする時、目印の名称があやふやで…
  • 新しい事をやろうとしても覚えられない
  • 久しぶりに会った人の名前を思い出せないまま会話していた など…

 年をとったのねぇと、しみじみとしたおばさん6名。ここまでなら単なるおばさんの愚痴です。今日のお題はですね、その後の会話の展開なのです。

「でも、嫌なことはすんなり忘れられてストレス感じないのよ。」

「しょっちゅう、あれ・それって言っているので、主人が言い直してくれて彼の頭の体操になってるわ。」

「何をやっても、いつも新鮮な気持ちで出来るから嬉しいわ。」

「どうせ、地図をみても分からないので、旅行の時は人に道を聞きながら探索するのよ。」

 おばさまがた、気持ちがいいほどポジティブです。

 今をしっかり自覚しながら、物事の良い面だけにフォーカスする。さすがおばさんパワーはすごいなと改めて感嘆です。その中でも特にすごいなぁと思ったご婦人はこんなことをおっしゃっていました。

 「連れ合い(ご主人の事です)が私に指示代名詞しか使わないのよ。“おい、そこのあれをあれしてくれ”みたいな。長年一緒に居るから彼が何をして欲しいのかはすぐに分かるのだけど、このままじゃ彼の脳の健康に良くないので、この頃は意地悪をしているの。」

 「さっきみたいなことをお願いされたら、“はい、ただ今”って返事はするけど、何もしないようにしたの。そうすると彼は”何やってるんだ。まだか?“って怒るでしょ。その時に、何をお望みですか?とて改めて聞くのよ。」

 この会話を繰り返していったら、ご主人は自分でも思いの外物忘れをしていることを自覚したようで、読書などを始め知識の幅を広げるような行動をとりだしたそう。またお互いになるべく指示代名詞は使わないようにし、脳の老化を防ごうねと会話しているとのこと。

 人が生まれて成長していき、年を重ねる毎に出来ることが増え…それが【増える】から【変化する】になった時、自分自身や周りを巻き込んだ機智でその変化を楽しみ、新たな成長の肥やしにすることは出来るのだと思います。変化を衰えと捉え意気消沈してしまうか、矛先が変わったと捉え工夫しながら変化に対応していくかは、その人の気持ち次第で行動に繋がっていくと思うのです。

 私自身も衰えてきた体力や気力を補うために、率先して家事に勤しみ(?)、ニャンコを抱っこする事で腕を鍛え(ホント?)、誰かの昔話も記憶力のテストに挑戦する気で臨み、誰かが言った指示代名詞をクイズと思って正解を探し…と日常でも変化を楽しむようにしています。

 また、面白いと感じるハードルを低くして、例えその時は分からなくとも興味を持ったことに挑戦していこうとしています。あれ・それ、を具体的に語れるよう、おばさんはおばあさんになっても、キラキラとした目をしていたいのです。