みなさま 田中かつゑです。おしゃべりが上手な仔がいます。「ルイチャン(ニャンコの名前)は可愛いねぇ~」「ぅにゃぁぁぁ」「そうなのねぇ」「ぅにゃにゃにゃぁあ」「まあ、そうなの。すごいのねぇ」「にゃにゃ」会話になっていますか (^^;
つい最近、またニャンコが増えました。これで総勢10匹です。今日はそのいきさつと、少し憂いたことを書いてみます。
3週間ほど前、我が家から徒歩5分位のご近所さんから電話がありました。彼女(80歳を超えた老婦人です)とは猫談議や頂き物のおすそ分けなどのゆるいお付き合いなのですが、何故かお声が切羽詰まっています。そこでお宅にお邪魔して詳しく事情をお伺いしたところ…彼女のお宅の郵便ポストに投書が入っていたとのこと。内容は「猫を外飼いしないように。家の中で飼うか、保健所に相談して欲しい」 これは想像の域を出ないのですが、老婦人が野良猫にご飯を与えていることに対し、良い感情を持っていない方がいらっしゃったと解釈しました。言い訳かもしれませんが、老婦人はきちんと向こう3軒両隣に事情をご説明し、トイレの始末もし、猫の避妊・去勢もし、対象のニャンコは地域猫として、ご近所で見守っていたはずなのですが…。
老婦人は両膝がご不自由なため、またご自分の年齢も鑑み、自分の家庭内では動物を飼育するのは無理ということで、地域猫の選択をしています。また周りの方々も様々な事情で猫を家の中では飼育できないので、皆で見守っていたと記憶しています。その輪が破れました。
彼女が頼るのは私しかいなかったと思います。彼女のお子様は遠く離れて暮らしており、また、彼女自身が次の飼い主を自力で探すことも出来ず、保健所と言う選択肢は残酷過ぎたでしょうから。
事情を知っている私には、拒否権はありませんでした。
そこで改めてキャリーバッグを自宅から持ってきて、その猫(“トラ“といいます)を保護し、私は老婦人のお宅を後にしました。「とても臆病な仔で、大きな音がするとすぐに隠れてしまうの。食も細くて気が小さいの」最後まで老婦人はトラを気遣い心配していました。私は「明日にでも動物病院に行って健康診断をしてもらいます。ご安心くださいね」としか言えず。彼女の断腸の思いを受け止めねば。
健康診断の結果は病気もなく、血液検査も大丈夫。体重は3.5キロと我が家では1番小さいニャンコになりました。抱っこもできるし、お風呂、ドライヤーもトラがカルチャーショックで固まっているうちに済ませたので、何も問題なく。ただひとつの問題が、食事です。トラは1週間ハンガーストライキを起こしました。老婦人が恋しかったのだと思います。
その思いは老婦人も同じだった様で、トラを引き取ってから数日後、老婦人とご主人がトラのご飯を持ちきれない程、我が家に運んできたのです。
「この缶詰はトラが好きなの」
「缶詰とドライフードを混ぜてあげていたの」
「おやつに煮干しを砕いたのと、鰹節(どちらも猫用です)をあげると喜ぶの」
「おもちゃもあるのよ」
ああ、溢れるばかりの老婦人のトラへの愛。どんなにご自身でトラを飼い続けたかったでしょう。そんな悲しみや悔しさをおくびにも出さず、私に「トラと私を助けてくれてありがとう」とお礼を言い続ける彼女。いえいえ、お礼を申し上げるのは私の方です。こんなにトラを可愛がって下さってありがとうございます。そして、私にトラを託して下さり、重ねて有難うございます。(来週に続きます)