役員メッセージ 生きていくTips

かつ便りNo.131 ~損して得取れ~

 みなさま 田中かつゑです。ひょんなことからチーズ入りオムレツを知ってしまった、ニャンコたち。プレーンオムレツを食べなくなりました。チーズ入りを食べて「美味しい!」と思ったのでしょうね。沢山は身体によくないから、時々ほんのちょっとにしましょうね。(チーズ入りオムレツの日はニャンコ行列ができます)

 何処にでも負けん気の強い方はいらっしゃいます。それ自体は個性として良いことだと思うのですが、やはりTPOが大事だとこの頃つくづく感じます。特にその負けん気に加え、謝ることを「負け」だと捉えてしまう傾向がある方は要注意です。以前こんなことがあったのですが、あなたは読後、どのような感想を持つのでしょうか。

 Aさんは30代半ば。陽気で人見知りもせず、新しい事にも興味津々な性格です。一方自分基軸の正義感が強く、その信念を逆なですると判断した人には年齢・会社でのポジションを問わず、突っかかっていく所がありました。
Bさん。Aさんの上司で50代の精悍な方です。仕事も精力的にこなし、早口で自信に溢れています。家事よりも仕事が断然好き、と言い切るタイプの方です。

 その二人が何となく不穏な空気に…Aさんからの相談を受け事情を把握です。

Aさん:「Bさんが私を愚弄します」
私:「?順を追って説明してくれる?」

その説明を要約すると、教育費(図書費)の計上についてでした。社内規則上、専門書購入時は上司にその理由と共に申請を行い、許可が下りてから購入。費用請求時は領収書を添えるのですが、AさんがBさんに図書申請を出したところ「本当にあなたの業務にその図書が必要なのか?」と詰問されたとのことなのです。

 おや?不思議ですね。上司なら部下であるAさんの業務内容は把握しているはずなのにどうしてこんな質問が出たのでしょう。またAさんは何故「詰問」という表現をしたのでしょう。

 Bさんと確認をすると、こんないきさつでした。Aさんは自分のキャリアを鑑み、今の業務と少し毛色が異なったスキルを身に付けようと考えていたようです。そのため、そのスキル関係の書籍を購入しようと思い立ったのですが、購入理由の欄が空白のまま、Bさんへ申請をしたとのこと。Bさんからすれば「?何故必要?」と思ったため、それを問うと、Aさんが「じゃ、(申請は)止めます。Bさんは私のキャリアの邪魔をするんですね!」と激高したと。

  改めてAさんに事情を聴き直しました。すると、「購入理由を記入しなかったのは、確かに悪かったかもしれないけれど、Bさんは上司なんだから、その位わかってくれても良いじゃないですか。なのに、自分を怪しむように、いきなり『必要なの?』と言われた。Bさんは私のスキルアップの邪魔をしたんです。」
そうですか、上司であるBさんが部下の建設的な行動を阻害したと考えるのですね。

 Bさんに彼の言い分を伝えると、何も言わずに首を横に振っておりました。おそらくBさんは今後Aさんに交渉や調整を伴う大きな案件を任せることはないと思います。

 その場での感情をむき出しにしてケンカ上等とばかりに言い争いをする方が時々おります。おそらくその人は気持ちが高ぶって、その場での言い争いにだけ注力してしまうのでしょう。相手の粗ばかり目につくのかもしれません。果たして、その口げんかはAさんにとって本当に必要なものだったのでしょうか。

 首を振ったBさんは、恐らくAさんに対し、任せられる仕事の範囲を限定したと思われます。もしAさんがBさん以外の方々にも同じような態度で臨んでいたとしたら、今後の仕事への影響も出てくることでしょう。彼には、その場での怒りの前に、何故上司が質問をしたのか、自分に至らない所はなかったか、説明が不足してはいなかったか、と自省する姿勢が欲しかったと思います。

 完璧な人間はそうそういないと思います。だからこそ、相手を思いやる心の余裕と自分への自省が大事なのではないかと、この残念なやり取りを傍から見た感想です。