みなさま 田中かつゑです。朝、ニャンコたちがいる階下に降りていくとふわふわとした毛の塊が何個も落ちている様になりました。本格的な毛の生え代わりの季節です。過酷な労働となる掃除機の悲鳴が聞こえるようです。(あまりにも抜け毛が凄いので、我が家には同じタイプの掃除機が2代鎮座しています。)
旧友のAさんから今年も新茶が送られてきました。ありがたい事です。さっそくスタッフと頂きました。一番茶のほのかに甘い香りが鼻腔をくすぐります。同封されたお手紙にはすっかり好々爺となったAさんがお孫さんを抱っこした写真も添えられていました。拝見しているとほのぼのとした時間が流れます。
今回はAさんのご紹介と共に、ご自身を前向きにとらえて実行することの大事さを感じ取っていただければ、と筆を進めます。
Aさんは60代半ば。会社を定年退職した後、木彫り食器のアトリエを開いています。これだけなら、「趣味をビジネス化したのですね」で終わるのですが、彼のすごい所は表に出て来ない生き様そのもの。私には到底できない(と思う)マイナスと考えがちな人生のイベントに対してプラスに捉え、それを行動で乗り越えてしまうAさんの強さをひしひしと感じます。
彼の趣味は非常に多彩です。
- 大型二輪免許を保持している彼は、仲間と一緒にツーリングに出かけます。
- 車体にBBQの道具を括り付け、キャンプ場に到着すると器用にテントを組み立て、美味しい料理を手際よく作り振舞ってくださいます。
- 先日地方都市でマラソン大会が開催されましたが、Aさん、ご参加し完走。
- 手先が器用な彼はキャンピングカーを改装。居心地の良い空間を作ります。
ここまででも、すごいですね。
……で、このアクティブなAさんなのですが、毎日ご家族の介護をなさっていらっしゃるのです。
彼の肉親の方は10年ほど前にご病気になられ、寝たきり生活を余儀なくされました。その方は手足の自由も効かないため、誰かがつきっきりで面倒を見る必要があったのです。それをAさんはかって出て、着替え、食事、入浴、下の世話、寝返り等、会社勤めをしながらヘルパーさんと協力体制をひいて、ずっと続けていたのです。
これだけでも凄すぎるのですが、加え、上記の多趣味。会社内では100人の部下を抱える組織の長。社外の技術コミュニティにも顔が広く、最新技術にも詳しい。
正にスーパーマンとは彼のことを言うのでは?と私。失礼ながらAさんのお顔をまじまじと見入ったこともあります。
それとなくAさんを観察していると、あることに気がつきました。彼の口から「~ねばならぬ。~べき。」という言葉を聞いたことがないのです。その代わりに「~やりたい。~面白そう。」等のポジティブな言葉が溢れます。困難な場面に遭遇し、Aさんに意見を伺うと、「出来るだけやって、あとは良しとしましょう。」なんて一見能天気な返答が来るのですが、実は夜を徹して解決に向かって模索している姿も知っています。
一度Aさんに、「そんなに一度に沢山のことを背負われてしんどくないですか」と失礼千万な問いかけをしてしまった事があります。その時のAさんの表情!きょとん、としているのです。「何がですか?毎日色々なことがあって楽しいですね。」これが大人のAさんの回答でした。私、恥ずかしくて穴があったら入りたい…と心底思いましたよ。
自分の状況を嘆いても、不幸だと悲しんでも、誰かがそれを解決してくれるわけではないし、自分で出来ることにも限りはある。それならば、(自分の心を保つためにも)これらの状況を楽しめるよう、創意工夫をした方が良い、との割り切り。そして実行してしまう行動力。まさしくAさんはポジティブ思考と冷静沈着なロジカル思考の両方を兼ね備えた素晴らしい方です。(実は後々上記の趣味がご家族の介護に繋がっていることを知りました。)
すなわち、
- ツーリングはご家族をキャンピングカーに乗せて移動する時の下調べ
- 御自分での料理は調理時間を短縮するための施行
- マラソン大会出場は日頃の体力作り
- キャンピングカー改装はご家族の介護がしやすいように
脱帽!!!