役員メッセージ 仕事に関すること

かつ便りNo.149 ~仕事での話術~

 

 みなさま 田中かつゑです。お行儀の良い?仔がいまして、ご飯の時。自分は食べ終わったけど、まだお腹は一杯じゃない…そんな時その仔は、ただただじっと自分の空になった食器を凝視し、まるでご飯が自動的に追加されるのを期待しているかのように佇んでいるのです。すぐ隣には他の仔が食べ残したご飯が残っているのに。私がそのことに気がついて、ご飯が残っている食器をその仔の目の前に置くと、やっと「ああ、まだあるんだ。」と食べ始め…おっとりなのか、どんくさいのか…。

 自分以外の人との会話ですが、どんな場面が想像されるでしょうか。家族・友人・同僚・上司・取引先・一見の方…これら自分との関係性が異なる、様々な人との会話では、意識しているかどうかは別にして、相手方に合った(とこちらが判断している)話題・言葉遣い・間合い・会話の深みなどをご自身でコントロールなさっていると思います。
 ところが、この「コントロール」が意外に難しいと痛感しているのは私だけでしょうか。実は私はこんな方とお会いした場合、いつもどのようにすればいいのか戸惑うのです。

  1. アイスブレーク時、お相手との会話の糸口を探すべく色々話題を振っても「はい」「いいえ」で会話が終了してしまう方
  2. どんな話題からも、ご自分語りに無理やり会話を運んでしまう方(いわゆる会話泥棒ですね)
  3. 会話の中の枝葉の単語に反応して、本筋ではない話題に移行してしまう方(特に仕事での打ち合わせだと収拾がつかなくなり困惑します)
  4. (これも仕事の打ち合わせでの場面ですが)「ご自分のスキルレベル」=「会話の相手のスキルレベル」という前提でお話しされる方(節目節目で理解しているか確認頂けるとありがたいのですが、そのような方は立て板に水で…)

若い頃は、これも社会勉強、とか、反面教師などと自分に言い聞かせて自身の会話スキルを上げようと頑張った記憶があります。ただ、身に着いたかどうかは疑問ではあります。

 ここまで読んでいただいて、あれ?ひょっとすると、これは自分のことでは?とちょっと思い当たることがある方。どうぞ以下までお読み頂いて、ご自身の会話スキルをもっともっと伸ばして頂きたいと思います。自覚するだけできっと今後のお仕事の進め方が異なってくると思います。

1.「はい」「いいえ」で会話が終了してしまう方。
その理由など、お相手と会話のキャッチボールができるネタをご提供するのはいかがでしょう。例えば「今日は蒸し暑いですね」と天候の話題を振られたら、「そうですね、私の故郷はxxなのですが、そこもこのような蒸し暑い日が多いです。xxは行かれたことはおありですか?」などと会話を膨らませます。お相手はあなたとの共通項や興味のある話題から交流を深めようとなさっているかと思われます。是非ともご自身の機知を言葉にしてお相手との心の距離を縮めていきましょう。

2から4 これは実は共通することがあります。
会話時にはお相手の表情を観察することを心掛けてみてください。こんなことが発見されませんか?
困ったような愛想笑い・興味がなさそうな表情・返答のトーンが下がるなど、お相手が心ここにあらずになってはいないでしょうか。もし、そんな雰囲気が醸し出されたら、そのお相手はあなたとの会話を続けることに対し、何らかの苦痛を感じているかもしれません。もしくはあなたが滔々とお話ししている話題についてこれていないのかもしれません。お話しを続けたい気持ちをぐっとこらえて、お相手の理解度や興味の度合いを確認できたら良いですね。

 日常会話では少々の行き違い、咀嚼違い、誤解などが生じても、お互いに言葉を尽くし絡んでしまった糸を解きほぐしていくことは時間をかけて出来ることが多いかもしれません。けれど、仕事での会話では行き違いやお相手の感情を損ねてしまう事で、次の仕事へのチャンスが無くなってしまう危惧もゼロではありません。普段意識せずとも繰り返している会話。これも仕事の中では大事な意思疎通と信頼度を高めるツールとして威力をもちます。たかが会話されど会話。世の中に「話し方教室」なるものが氾濫しているのも、会話を武器とみなして最大限に活用しようと勉強している方々が沢山いらっしゃることの表れではないかと思います。