役員メッセージ 生きていくTips

かつ便りNo.191 ~変化を決める時~

 

 みなさま 田中かつゑです。一匹のニャンコが食後頻繁に戻すようになり、体重が1kg減ってしまいました。さらに、怒りっぽい・筋力が低下した(高い所に登れなくなった)ので慌てて病院に。甲状腺機能亢進症が疑われ検査をし、結果が出るまでドキドキ。…正常でした。純粋な加齢?でしょうと。ただ今ご飯を分割してあげて様子見です。体重が元に戻ってくれるといいな。 

 遠方に住んでいる息子が彼女を連れて帰省しました。初めてお会いする彼女はとても緊張している様ではありましたが、はきはきと受け答えをしてくださり、息子とも仲睦まじく、楽しい食事時間を過ごさせて頂きました。未来に向かって一緒に歩み始めることを決めた彼ら。いいなぁと素直に思いました。今後どのくらいの時間軸で物事を進めていくのか私には分かりかねますが、きっと二人のペースで納得のいく道を歩んでいくのでしょう。

 思い返すと私も若い時から色々な変化への決断をしてきました。進学する学校と学部の選択から始まり、就職、住居、結婚、出産、昇格、職種等、全て一人(結婚と出産は二人で)で決め、その準備をコツコツと行い、来るべき時に備えていた年月だった記憶があります。結果として失敗も沢山しましたが、それらを含めて自分の人生を自身で切り開いてきた自負もあり、周りからは至らぬ部分も目立ったかもしれませんが、私なりに頑張って今があると思っています。

 特に記憶に残っている大きな変化は、職種を変えたことです。妊娠するまで、私は定期的に午後九時まで残業が伴い、さらにお客様要件で徹夜や休日出勤が当たり前に発生する職種に就いていました。もちろん、仕事自体は面白くやりがいもあり、残業や休日出勤に対して不満を持った事はありませんでした。しかし、お腹に小さな命が宿った時、私は、何の迷いもなくその職種と決別し、殆ど残業が発生しない職種に配置転換の希望を出したのです。移動日は育児休暇明けに設定されることとなりました。

 初めて新しい職場に足を踏み入れた時の戸惑いは、今でもはっきりと覚えています。同じ社内なのに「職種が違う」。使っている社内用語・仕事のプロセス・関係する他部署、そして上司の判断基準。これらが何もかも異なっているということが実感としてわかりました。繰り返しますが、同じ社内なのに。しかも私は入社7年目の中堅社員。当然新人に対するように手取り足取り教えてくれるトレーナーはいません。このままでは放っておかれて居場所がなくなります。どうしよう…と文字通り途方に暮れました。

 育児休暇明けという状態は、子供が徐々に保育園生活に慣れていく過程も含んでいて、それはイコール保育園内で様々な病気を貰ってくることも意味しています。つまり、私は今までの様に納得のいくまで仕事に没頭することは無理で、定時になったら一目散に子供を保育園に迎えに行かねばならず、かつ、子供の体調が崩れれば即座に会社を休まざるを得ない状況で、新しい職に飛び込んでいかねばならなかったのです。

 正直後悔しました。あのまま元の職種に留まり、残業と休日出勤を免除してもらう交渉をした方が現実的ではないか、と思ったのです。慣れている仕事内容・人間関係・融通の利く他部署との関係、そして今まで培ってきた信頼関係。これらがまるっきりゼロの状態で乳飲み子を抱えフルタイムで職場復帰をする。もしかして、この選択はとても無謀なことなのではないか…今思い返しても、かなり無茶な決断をしたように思います。

 しかし、その時の私は、後悔の念は一瞬で捨てました。現実新しい職場に移動してしまった、子供は保育園に居る、これらの事実は変わらないからです。そこで、新しい上司に面談を申込みました。自分が保持している現在のスキルと今後進みたい方向、得たいスキルや3年・5年スパンでの自分の可能な働き方をご理解頂くためです。そして新しい職場での上司が認識している課題を共有することで、自分がこの部署に対しお役に立てることがおぼろげに分かってきました。凡そ1時間強の面談でしたが思い切って申し込んで本当に良かったと思います。

 次の日から私は上司の認識している「課題」を掘り下げるため、部署内の全員に順番にお声がけをして色々なお話を伺いました。移動したばかりで、未だどのチームにも属していなかった私は比較的行動が自由でしたから、データ収集に力を入れられた訳です。さらに私にとっては初見の物事が多かったため、既にその部署に長くいらっしゃるベテランの方々とは違った視点で物事を捉えることが出来たのも功を奏したのかもしれません。数日のヒアリングと分析後、私は先日の上司に自分自身のミッションと目指すゴールを見える化し、再びご相談とご報告に行きました。そして私が提出した業務改善と新規事業の企画書は正式にその部署に採用される運びとなったのです。

 人生において変化は必ず訪れます。生活環境・仕事の内容・住むところ・人間関係・家族構成など、言ってみればきりがありません。さらに自分自身が望まないのに外的要因で変化が生じてしまう場合もあるでしょう。そして変化には喜び・悲しみ・戸惑い・後悔など様々な感情も漏れなく付いてきます。今回の私の変化に後悔が付いてきたように。けれど、時間は巻き戻すことが出来ません。変化も起きてしまったら元には戻せません。例え力ずくで元の環境に戻ったと解釈したにせよ、それは純粋に元の状態ではないことに、きっとすぐに気がつくでしょう。
ですから、変化を自らが決められる立場に居るときは、一度立ち止まって考えなおして欲しいのです。その変化は何のためなのか・自分にとって何故必要なのか・その変化の先に何を期待して、自分はどんな行動をとるのか・変化が期待外れだった場合、その次はどうするのか。

 でも、こんな偉そうなことを書いている私も、かなり何も考えずに半ば思い付きの様な形で職種転換を思い、実行に移してしまったわけで、それはきっと「神様がそうしろとご指示なさった」のでしょうと解釈して自分を納得させているのですけどね。