役員メッセージ ちょっと苦しい時に読んでみて

かつ便りNo.119 ~お初との対面~

 

 みなさま 田中かつゑです。猫は温かい所を知っていますね。ニャンコ達の部屋にはオイルヒーターを設置し、その前には大きなクッションを置いているのですが、彼らは昼間は窓辺で、そして夜はみんなでヒーターの前に集まり丸くなって寝ています。私も仲間に入りたいな…。

 組織の中で仕事をしていると、状況に応じで様々な役割を求められます。また経験値に関わらず、年齢と言う大雑把な判断基準で、勝手に上司に相当する方からの期待値が高まったりもします。そのため、ある日突然、思ってもみない仕事内容がご本人に指示されたりもします。

例えばこんな感じ。
「Aさんも、そろそろ10人位のチームを率いて欲しいんだけど。」(人を纏めたことないのだけど・・・)
「Aさん、もう30代半ばで中堅だよね。XXXは出来るよね。」(何故出来ると決めつける?)
「Aさん、次の組織改定でYYYを担当してもらうから。」(えっ、YYYって何?)           等。

どの内容も、Aさんから見れば突然のこと。スキルも足りていないと思うし(そもそも初めての事だし)、心の準備も出来ていない。不安が先に立って、とても「はい、頑張ります。」なんて言えない状況です。ところが、上司はそんなことはお構いなく、Aさんにとってハードルの高いことを当たり前のように口にする。指示する側とされる側のギャップは相当なものと思われます。

 では何故上司はAさんにとってハードルが高い仕事をさせようとしたのでしょう。私が上司の立場ならその根拠は以下の通りです。

  • Aさんが通常こなしている業務が上司から見てルーチンワークの様に手慣れてしまっていて、その業務を続けている限りAさんの成長が望めないと判断。
  • 少々乱暴とは思うがAさんに挑戦させてみたい(Aさんなら、その困難を乗り切れるだろう)と期待。
  • 該当ポストが空位で、Aさん以外には適任者がいない。
  • Aさんにジェネラリストになってもらいたい。

何れも「未来のAさんに期待している」ことがベースの判断基準です。

けれど、Aさんにしてみれば、そんな上司の考えなど、知ったことではありません。Aさんの心の中はただただ不安と不満が渦巻くことになるかもしれません。

そして残念なことに、その上司に相当する立場の方がAさんにしっかりと動機付けをして、不安や不満を取り除く努力をしている場面はそれほど多くはないようです。そのため、Aさんは上司の期待をくみ取ることなく、自分だけで、この不安定な心と対峙しなければならなくなります。ご本人にとって鬱々とした日々が始まってしまうと思われます。

 ここで上司に当たる方のマネジメント不備を責めるのは簡単ですが、現実今更上司に「君に期待しているんだよ。」等と言われても、おそらくAさんの暗澹とした気持ちが晴れることは難しいかと思います。だって今さら言われてもね。もっとAさんの気持ちに寄り添って欲しかったですよね。

……キツイことを言うようですが、Aさん、落ち込んでしまった心が少し落ち着いたら、美味しい物を食べる、スポーツで汗を流す、面白い催し物に参加する、好きな映像や音楽に触れる。何でも良いのでご自身の気持ちをプラスの方向に切り替える努力をしてくださることをお勧めします。

理由は簡単です。この頑張り・踏ん張りがAさんの次のステップに向けた輝かしい一歩だからです。ちょこっとだけ背伸びをして、少しだけ緊張しながら周りの方々の助けを乞い、その新しい業務に挑戦してみて欲しいと思います。ただ、無理はしないで下さいね。ご自身の心と会話しながら、ご自分を大事にしながら一歩ずつ進んで行って欲しいと思います。

もちろん、休憩したいときには休みましょうね。時には上司に甘え、建設的な(これ大事)愚痴を言ってみても良いかと思います。怠けない、けれど無理しない。これが基本姿勢。
半年ほど経つと、グンと成長したAさんにご自分自身でもびっくりする事請け合いだと思いますよ。