役員メッセージ 仕事に関すること

かつ便りNo.133 ~井の中の蛙大海を知らず~

 

 みなさま 田中かつゑです。ここ数日急に暑くなり、長毛ニャンコたちは涼しい窓辺、ひんやりとしたテーブルの上、廊下など様々な場所で寛いでいます。…が、一番短毛の仔は、相変わらずモフモフのクッションに埋もれて満足そう。暑くないのね…?

 あまたの方々はご自分の経験値が元になって、判断基準が養われていると思います。もちろん活字・映像・他の人からの言動などでより知識を得ることは出来ますが、やはりそれは自分が肌で感じ体得したそれとは異なるものです。そのため、仕事や日常のヒトコマでこんな(ご自身にとっては)理不尽なことが発生してはいないでしょうか。

 以下、起こりうる経験値の差が生む、上司との軋轢です。⇒のような不満を持った事はありませんか。

  1. 良かれと思い実施した事に対して、上司は「上司の許可を得てから実施するように」と言った。  
    ⇒(自分)だって、良いことですよ。逐一許可要りますか?
  2. 仕事の報告をチャットツールにて上司に送ったら、上司は「報告書の体裁に書き直すように」と言った。
    ⇒(自分)報告しろというから送ったのに、何故体裁まで指定される?まとめる時間なんてないし。
  3. 「君に任せた」と言われた業務を頑張って遂行していたら、上司は「状況報告がない」と言った。
    ⇒(自分)月イチ位で報告しているでしょ?どのタイミングで報告が欲しいのか言って下さいよ。
  4. 上司からの連絡の返事を忙しいので放っておいたら、「返事をするように」と言われた。
    ⇒(自分)忙しいんだけど!後で報告しようと思っていたのに腹立つ!
  5. 自信を持って提出したレポートに対して「もっと分かり易く書きなさい」と言われた。
    ⇒(自分)分からないなんて上司がおかしいんじゃないか?質問してくればいいのに何故怒られる?
  6. 上司からきつい言葉で注意を受けた。
    ⇒(自分)言い方ってものがあるんじゃないか!部下を傷つける上司は酷い!

如何ですか? そうそう、と頷く方、おやっ?と疑問に思う方、様々かもしれませんが、これらは過去、私の知り合いが実際に上司の立場で部下からクレームを受け、困惑した事なんだそうです(脱力した、と言っていました)。その時の(自分)の立場の人の憤怒はものすごく、他の部署の方々に対しても上司のやり方はけしからん、(自分)は正しい、とずっと憤っていたとか。

 未だ社会経験が浅い方、経験値が蓄積されていない方は(当然といえばそうなのですが)自分の中の事が全てだと考えがちです。が、これらの(自分)の憤りを上司の目から見たらどのような場面だと思われるでしょうか。順にご説明いたします。

  1. 担当の目から見た「良いこと」が全体を俯瞰して良い事とは限らない。顧客事情・納期・予算・他の担当守備範囲に充てているなど、様々な理由で(自分)の担当範囲外になっている事が実際には多い。また、仕事の全てに当てはまるが、(自分)は業務指示から逸脱したことを独断で実施するべきではない。
  2. 報告書は(自分)の業務プロセスと成果・課題と今後の展望を分かり易く纏め、(自分)の成果物として上司に提出するもの。報告書を書くことにより、(自分)の完成度、考えや抜け漏れがはっきりすると同時に、(自分)が将来上司になった時、もっと上の上司に報告する場面を想定した訓練の場でもある。
  3. 上司は「任せた」という場合、『(自分)が能動的に、今回の業務範囲と裁量、報告のタイミングと上司が報告して欲しい事、課題の迅速なアラーム、納期遅延の可能性時の対応等を、指示を受けた時に確認する事』を期待している。これは(自分)が組織としての仕事が出来ていることを期待してのこと。(「任せる」の意図するところは発言した本人に確認しなければ分からない)
  4. 忙しいのは誰でも同じ。「ちょっと今は手が離せませんので、xx時頃改めてご連絡させて頂きます。申し訳ありません。」は潤滑油として必要な礼儀。
  5. レポートは誰の為に書くのかを考えて欲しい。読み手が理解し、納得するレポートを書ける訓練をして欲しい。文字情報は一人歩きするものだから一層言葉の使い方には細やかになって欲しいが。
  6. オブラートに包んで、婉曲に伝えても何ら言動が改まらない場合は強く注意するしかないのだけれど。どうしたものか…。

 いかがでしょうか。ちなみにその(自分)は上司がいる会社を辞めたそうですが、転職活動は難儀していると風の噂で聞いた…は蛇足だけどね、と知り合いである彼は、苦笑いをしながら私に話してくれました。