役員メッセージ ニャンコ

かつ便りNo.136 ~躾と愛情~

 

 みなさま 田中かつゑです。自宅でPCに向かっている午後。ニャンコたちは皆、熟睡です。そんな中、一番身体が小さい仔だけが「今だ!」とばかりに私の膝を独り占めし、そのまま深い眠りに入ります。私はお茶も飲めず、お手洗いにも行けない数時間を過ごします。暑さを感じた彼女が大きな伸びをし、床に降りるまで、この幸せな拷問は続くのです。

 我が家の10匹ニャンたちは、それぞれ辛い過去を背負っています。生粋の野良、生育に於いて捨てられた仔、(多分)飼いネコの親から生まれたのに、望まれず遺棄された等。そして、野良生活が長かった仔は例外なく人に対してある程度の恐怖心と不信感を持っています。それでも縁あって私と家族になってくれてありがたいのですが、やはり人が暮らす環境でのルールから逸脱する仔は少なからずいます。

① 時々トイレの場所を勘違いしてしまう仔

② 壁を爪とぎ場所と思ってしまう仔

③ 畳に轍を作る仔

④ クッション等布系のものを噛み壊す仔

⑤ ゴム系のものを解体する仔           

等などキリがありません。

本来なら、ニャンコの気持ちが赴くまま、自然にさせてあげれば良いのでしょうが、こちらも自宅での心地よい生活がかかっています。さて、どのように彼らにやって良い事とそうでない事を分かってもらいましょうか。

結論から言うと、(多分ワンコなら躾が出来るのだろうと思うのですが)ニャンコに対しては人間が善処策を施すことが最善だと悟っています。

なので、我が家はこんな感じに防御しています。

① トイレの掃除は小まめに行う。粗相した場合は同じ場所に繰り返さないように重曹にて消臭

② あちこちに段ボールの爪とぎを設置&またたびをふりかけ、爪を研ぐ場所を覚えてもらう

③ 畳の上にゴザを敷きました(ゴザは毎年取り替えます。畳を新調するよりずっと安上がり)

④ 噛まれた場所は革で補強(その後噛みません)

⑤ 彼らの目につくところにゴム系のものを放置しません

でも、彼らの名誉のために申すと、下記の事柄は段々と理解したようです。

A 我が家から外に出てはいけないこと(一回だけ脱走した仔がいましたが、「こらっ!」と言うと踵を返して戻ってきました)

B  立入禁止の部屋があること

C 他の仔のご飯を奪ってはいけないこと

D 人に爪を立ててはいけないこと

E 人が忙しそうにしている時は寝て待っていれば、そのうち可愛がってくれること

 無理やり要約すると、自分たちの安全のためにテリトリーを守り、集団生活のために他の仔に配慮し(その割にはしょっちゅういざこざがありますが)、好きな人にちょっと気を遣う…という感じですか。

前者(丸付数字)と後者(アルファベット)の違いなのですが、前者は彼らの本能から来る行動なので、叱ることは無意味だし、叱ることで人間に対して恐怖心を持つだけのような気がしています。

片や後者はニャンコがまわりと協調しながら心地よく安全に生きていくための知恵かもしれません。

 その仔たちが幸せになるための躾は、したほうが良いと思います。けれど、人の生活にニャンコを従順させるための躾は逆効果ともいえるかもしれません。それは支配とも言えるのではないでしょうか。

そして、この考え方は動物・子供・部下の育て方にもある意味共通するのでは?と今や三十路に差し掛かった子供たちとSNSをしながら思うのです。