役員メッセージ ニャンコ

かつ便りNo.157 ~言わんこっちゃない~

 

 みなさま 田中かつゑです。毎朝食卓に上る海苔が記録的不作により、倍くらいの値段になってしましました。実はニャンコ達も海苔が大好きなので、値上げの影響により、ご相伴にあずかれる機会が減って不満そう。記憶力の良い彼らは、海苔の保管場所を理解していて、私がそこに行くたびに「くださいなの」と可愛い声でのアピールが始まるのです。

 年を重ねたからか、自我が目立つようになってきたのか、10ニャンの自己主張がゆっくりと変化しています。小動物も加齢と共に協調性や堪え性、好き嫌いなどに変化が生じてくるんだな、と改めて気がついてしまうこともちらほら見え始めました。どれも、彼らが仔猫時代や若い頃には見られなかった言動なので、小動物と共に暮らす方々には、ほんの少しご参考になるかもしれません。

ご飯

 食いしん坊の彼らではありますが、成長期を除く若い頃は、自分のお皿の分が無くなると、さっさと「ごちそうさま」と食卓を離れ、お風呂に入ったものでした。好き嫌いもなく、ドライフードもウエットもどちらもこだわり無く食べ、見ているのも気持ちが良いほどきれいにお皿を平らげてくれました。
今は、ウエットが主でないと食べない仔、2回に分けて与えないと戻してしまう仔、投薬治療(ウエットの中に薬を混ぜています)のため残さず食べるように監視をしなければならない仔。と食事の時間は人間が気を使います。特にお薬入りのご飯は他の仔が奪って食べない様、ずっと気をつける必要があり、地味に疲れる食事タイムとなります。

睡眠

 若い頃は遊ぶ⇒遊ぶ⇒遊ぶ⇒寝てる!? というように起きて何かをしているのが楽しそうでしたが、今は「寝るより楽は無かりけり」を身体で表現しております。特に昼間は私が掃除機をかけようが、物音を立てようが熟睡し続け。皆、思い思いの格好で夢でも見ているのでしょうか。寝る仔だから猫とは良く言ったものだなぁ、と改めて思います。これからますます彼らの睡眠時間は増えていくと思います。

遊び

 猫じゃらし/鈴/蹴りけりクッションなどニャンコ用の色々なおもちゃ。若い頃はどのにゃんこも、「遊んで~」とお目当てのおもちゃを銜えて私の所まで来たのですが、今はおもちゃに見向きもしません。たまにこちらから仕掛けても、ちらっと一瞥するだけ。窓辺に小鳥が来た時も昔のように共鳴することはもうありません。不思議そうな表情で小鳥を凝視しているだけです。外界からの刺激に興味が無くなってきたのでしょう。

キャットタワー

 登れなくなりました。タワーに、というより、高い所全般に対してですが。跳躍力が落ちてきているのでしょう。縦ジャンプに失敗することが増えました。食器棚の上で寝ていた仔も、いまは椅子の上がお気に入り。全ての棚&箪笥の上に置いてある座布団がそろそろ用なしになりそうです。

粗相

 増えました。これは仕方がないことだと思います。ニャンコは比較的トイレに関する苦労はないと思っているのですが、それでもトイレ以外の場所で粗相をしてしまうことや、お腹が緩くなることも増えました。生き物なので、これは、そうなるものだと受け止めています。

気性

 荒くなった仔とボーっとしてきた仔に二分されます。気性が荒い仔は①他の仔と比べて身体が小さく力が弱い仔に、②力が強い仔がわざとちょっかいを出す、③かかわりあいたくない仔がキレる。と言う順番を毎日飽きることなく繰り返しています(対処方法はキレる仔をいち早く非難させることです)。
ボーっとしてきた仔は、特にオヤツ時に底力を発揮します。すなわち、オヤツが目の前にあっても気がつくことなく、そのまま何食わぬ顔で座っている間に、他のちゃっかりさんに横取りされてしまい、しかも、とられた事すら気がつかないという…きっと本ニャンは幸せなんでしょうね。

抱っこ

 大好き派/どうでもよい派/大嫌い派に別れました。大好き派は始終私に抱っこをせがみ、爪を立ててくるので、これからの季節、セーターの網目がとんでもないことになる事請け合いです。片や大嫌い派は前進をピンと硬直させて嫌がるので(拘束されることが嫌みたいです)両脇を抱え、彼らの自由を残したまま抱っこもどきをすることはあります。ふう。

 このように、傍から見ても昔とはずいぶん運動神経や反射神経が鈍ってきたなぁと感じる彼らなのですが、当の本ニャンは絶対に気がついていないと思います。私自身も還暦の年にはなりましたが、まだまだ自分は若いと思っているし思いたいし、年寄りに見られたくないと内心では思います。きっとニャンコは内心どころか、自分が老いたという事すら自覚していないんじゃないかな…と思うのです。
先ほど高い場所に登れなくなった、と書きましたが、これは実は結果であって、本ニャンたちは毎日「大丈夫さっ」とばかりに、(若い頃の気持ちそのままに)箪笥のてっぺんに駆け上がろうとしているのです。そしていつも失敗し、「あれっ?」「おかしいな、もう一度」「こんなはずないのに」という葛藤をしています。もっと言うと、勢いついて走り出した場合などは、いきなり止まることが難しくなったようで、壁や柱に突進しちゃうことも度々。あ~あ、言わんこっちゃない。もう少し思慮深く出来ると良いね。みなさまはもう壮年にさし掛かったんだからね。