みなさま 田中かつゑです。自宅はオープンキッチンのため、悪く言うとニャンコがいたずらし放題の環境にあります。今までは、「危ないからナイナイね」「アチチだからナイナイね」とニャンコたちに話しかけると大人しくしていた彼らです、が、加齢と共に痴呆になりつつあるのか、一匹のニャンコが調理真っ最中のまな板に目掛けて突進してくることがあります。
私、包丁を握りしめているのですが…
今回は私が若かった頃のお話です。そのため、今の風潮や考え方と多少ズレている所があるかもしれない点を最初にお詫びいたします。それでも今回筆をしたためたのは、Z世代と呼ばれる若い方々にカッコ悪いかもしれないけれど「自ら学ぶ」事の尊さと、その学びが自分を助けてくれることを少しでもわかって頂けたら…の思いからです。
まず若い方に質問です。
- 何か新しいことに挑戦してみたいと思いますか?
- それは何故ですか?
- その挑戦のために何かしましたか?
- 成し遂げるまでの大雑把なスケジュールは立てましたか?
- モチベーションを保つ工夫を検討しましたか?
- リスクヘッジはどうしますか?
のっけから質問ばかりでごめんなさい。実はこれらの質問は、今回若い方に伝えたい事なのです。
個人的な話で恐縮なのですが、文系の学部を卒業後ITの企業に就職した時、周りの理系の方々と比べ全然素養が整っていない事実に愕然とした私が、どのようにジタバタしたかをちょっと書いてみます。
まず、IT業界で常識となっている言葉(IBMが生み出した様々な用語)がわからなくて驚き、コンピュータのOSに始まる各種機能への理解が全然追い付かず落ち込み、正直入社3ヶ月足らずで「無理、辞めたい」と思い詰める程異世界を感じた私でした。あのままの落ち込みが続いたら、間違いなく私は退職し、IT業界から逃げ出していたと思います。でも、辞めなかった。それは何故なのか。
簡単に言うと悔しかったからです。自分に。周りの方々がどんどんスキルアップし、社内の戦力として成長しているのに、いつまでも同じ所に留まり周りの足手まといになっている私に。何かねぇ、生まれて初めて「挫折」を身体いっぱいに味わった感じでした。そして次に思ったのが、この3ヶ月自分はどんな努力をしたのか、の問いかけです。正直「わからない」という事に胡坐をかき、大した努力をしていなかったんです。技術書を読み込んでみるわけでもないし、コンピュータを操作することに慣れようとするわけでもなく、ただただ「わからない~」と愚痴を言っていたにすぎない自分に気がつき、とても反省したのを昨日のことのように覚えています。
そこで、少なくとも自分の中で納得できるまで頑張ったことを実感できるよう奮起してみて、その上でどうしてもIT業界が性にあわないと判断したらすっぱりと辞めよう。と考えました。その期間は3年と定めました。石の上にも3年と言いますからね。
その頃はまだインターネット技術がなかった時代なので、スキルアップの手段は「有識者に聞く」「書籍」が全てでした。ただ、有識者に聞くことは即ち諸先輩方の時間を私が奪う事にもなるので、私はもっぱら書籍を購入し、メモを取り、実機で検証し、どうしてもわからない所だけ先輩方に聞くという手段を取りました。新しい技術に関する書籍がまだ日本語訳されていない時は英語版を購入し、辞書を片手に勉強したこともあります。
周りの技術者に追い付き追い越すことを目標に毎日の勉強と実機検証を続け、マイルストーンを設定し、時には挫けそうな自分を甘いご褒美で労わり、細い糸を手繰るように自分の得意分野を絞り込んで行きました。あの頃の自分の頑張りは今でも褒めてあげたいほどです。
そして頑張り続けた毎日が過ぎ、半年後位には技術に関する会議に出席しても内容が把握できるようになりました。1年後には自分の立ち位置の観点で技術検討に加わることができました。2年後には自らがイニシアティブを取り、周りを巻き込むことが出来るまでになりました。そして目標設定した3年目。私の心には「退職」の代わりに「好奇心・成長・成功への道程」が刻まれていました。どんな話題・課題になっても、物おじせず自分の考え方を述べられるようになった時は、心の中でガッツポーズを取ったことを覚えています。
仕事は自分で創り出していく要素がかなり大きいのではないかと思います。例え、上司が部下の仕事を定義付けたとしても、前提として上司が認識している部下の保持しているであろうスキルと、その部下の未来の成長を鑑みた上での決定を下しているはずです。そのため、部下に当たる人は常に自己投資・研磨をし、その成果を程よいタイミングで上司にアピールをし、大きなチャンスを掴むべく努力を怠らない事が重要になってきます。若い時に限らず、自己投資は続きます。負けん気、目標を持つこと。そしてその目標を達成するために努力し続け、何事にも好奇心を持つこと。これらはどんな分野でも必要なスキルアップの要素なのでしょう。
それが何故か今の若い方々から感じられない場面が散見された時、心の中がちょっとついていけない私は古い人間なのでしょうか。