役員メッセージ 生きていくTips

かつ便りNo.167 ~物忘れ~

 
 みなさま 田中かつゑです。家事が一段落したひととき。美味しいお菓子とコーヒーがお供です。と、ニャンコの一匹がテーブルに乗り、マグカップの周りをぐるぐると。そして砂掻きの動作を始めます。これは10匹の中でただ1匹だけの所作なのですが、どうしてなんでしょうね。決まってコーヒーの時なんです。何かの匂いと混同しているのかな?

 若い頃はマルチタスクが得意で、8多重までなら完成度高くこなせる自信がありました。小刻みにマイルストーンを設定し、仕事の進捗と同時に振り返りも行うことが出来、完成までの予測も速やかに立てることが可能でした。ところが、寄る年波とでも言いましょうか。短期記憶がこの頃めっきり怪しくなってきたのです。
そのため、こんなことで時間を無駄に使ってしまう事が増えました。

  • 探し物(意識せず物を置くと、そのありかを記憶していない)
  • やるべきことを思い出す(10分程前の所作まで振り返って「私は何をしようとしていたのか」を記憶の彼方から引きずり出す)
  • やるべきことから初動までの間(重い腰を無理やり上げる感じです)
  • 3多重程でギブアップ。そのため、1つ2つのことが片付くまで、他の事に移れない
  • 「ついでに」が出来なくなった

これは、自分ではない。と何度言い聞かせても無駄です。現実は容赦なく襲ってくるのです。

 そこで、自分自身が信用できないのだとしたら、計算機に助けてもらおうと、電子カレンダーに入力+リマインダを酷使。さらに電子メモに色々なことを入力し備忘録として活用を心掛けているのですが、これらも難在りだと最近は頭を抱えています。


 まず電子カレンダーは決定している用事以外には対応が難しいという点。カレンダーなので当たり前なのですが頻繁に予定変更が発生する事象や、日常のこまごまとしたイベントには向きません。日時や内容変更を更新し忘れたりするのです。そのため、当カレンダーは会議・病院の予約・会食・イベントなど、かっきり決まった予定を入力し、リマインダさんに助けてもらう事に留めています。

電子メモですが、私自身が入力したことを忘れてしまうのです…で必要な時に必要な情報にたどり着くことが出来なくて悔しい思いを何回か繰り返したのち、止めました。レガシーな私にはモダンな対策は効果がなかったようです。


 そして今、私が活用しているのは大きな紙のカレンダー。各日付のスペースが大きく、色々書き込めるタイプです。さらに不確実なイベントや細々とした用事に対応するための付箋紙。何か書き留めておくことがあると、付箋紙に手書きで書いてカレンダーの余白に貼っておきます。日程が仮決めになっているイベントなどはその日にちに同じく付箋紙を。該当する用事が終わったら付箋紙はゴミ箱に。このカレンダーはキッチンの正面に貼ってあり、かつ大きいので、スタックしている用事や当月内のイベントが俯瞰できます。スマホやPCの電源を入れなくとも、直筆の備忘録が自己主張してくれるのです。


 この化石みたいなメモ機能ですが、思わぬ効果がありました。

  • 直筆で書くため書いた事柄を忘れにくい
  • 書き始めると、他に何かやらなければならない事があったかも…と自身を振り返る
  • 付箋紙は買い物メモに早変わり


 そして何より、「書く」「抜け漏れが無いかその場で確認する」「いつでも視界に入る」ことで忘れっぽさから少し遠ざかったような気がするのです。
やはり五感の全てを使って毎日を送り、短期記憶定着のために繰り返し脳に信号を送ることが大切なのだと痛感する毎日。体力作りと同時に脳トレも合わせ、老いとの共存は続きます。若い時と同等の自分を目指すのではなく、今の年齢を受け止めながらも「老いたから」を言い訳にしない毎日を送りたいです。