みなさま 田中かつゑです。中毛ニャンコの悩みの一つに毛が絡まってしまうこと、があります。私が小まめにブラッシングをすれば良いのですが、何故か中毛の仔たちはブラシが嫌いです。何すんのよ~とばかりに噛み噛み・蹴り蹴り攻撃が始まるんです。なのでいつもこの時期にはこんがらがった彼らの毛をジョキンと切る、という儀式が必須。その時にも噛まれますが…。
多頭飼いをしていると、同一場面で各々のニャンコが異なった行動をすることに感心させられることがよくあります。その中の1匹が「この仔、賢い…」と感心する行動を取るのです。
その仔はNo.102の「かぶ」なのですが、前回彼について書かなかった「賢い」がこんなにあるのです。
【お口が上品です。】
オヤツの時。みんなもらいたくて、食べたくて必死になるかと思いきや、かぶは「待っていれば自分の所にもオヤツが回ってくる」、ことを心得ていて、私から少し離れた所で大人しくじっとしています。その姿はまるで貴族様のよう。オヤツ?そんなもの要らなくってよ、とでも言いたげな様子。そしていよいよ自分にオヤツが回ってくると普通に食べ、そして退散。まるで私がどのくらいの量を彼に与えるのかを分かっているかの様なのです。他の仔がもっとちょうだい!と騒ぐ姿を尻目に、さっさと寝床に移動し気持ちの良い場所を独り占めするかぶ。賢いです。
【人の動きを良く観察しています。】
私が忙しくしている時には、そっと鳴りを潜めています。大げさに言うと気配を殺しています。なのに、一息つこうと椅子に座ったと同時に、私の膝にはかぶが。体重6.3kgの軽からぬ身体なのに彼は瞬時の動きにも対応可です。丁度ほっこりとしたいなぁという時に膝の上でゴロゴロ言い幸せそうな表情で私を見つめる彼。人たらしに違いありません。
【軒を貸してもらって母屋を取っちゃう行動をします。】
誰かがクッションの真ん中で気持ちよく寝ていたとしますね。かぶは、そこに遠慮がちに近寄り、寝ているニャンコの頭・身体を舐め始めます。好き好き攻撃みたいな感じです。そして彼は、気持ちが良くなってきた他のニャンコがちょっと身動きをしたとたんに、その隙間にするっと入り込み、ドカッと真ん中を陣取るのです。追い出されたニャンコは端っこで我慢するか、他の寝床を探しに行くかの二者択一。困惑しているニャンコを尻目にまるでずっと前からそこで寝ていたような顔でいるかぶ。あざといです。
【人に対する忠誠心もどきはハンパないです。】
人と目が合うとまるで少女漫画のヒロインの様なキラキラした目で見つめてきます。そして、抱っこをせがみます。その目に負けちゃうんですね。私は思わず抱っこしちゃいます。すると彼は自分の身体を捻り、縦抱っこの姿勢を取り、両前足を私の首に絡め、両後ろ足は私の胴に巻き付け、頬を摺り寄せ鼻チューをし、そしてうっとりした様に私の胸に顔を埋めるのです。これ、ニャンコだから何とも思わないのですが、まるで恋人じゃね?って感じです。ここまで懐かれて嫌な思いをする人はいるのでしょうか、嫌、いるはずがありません。人たらし、グレードアップです。
ところが…
【こちらが安心して目を離すと、やってくれるのです。色々と。】
いつぞやは熱いので冷ましてあった鳥ハムを咥えて走っていきました(当然取り返しました)。またある時はお弁当用に作り置きしておいたイワシハンバーグ(ネギ類は入っていませんのでご安心を)が間一髪で犠牲になるところでした。さらに『お魚咥えたドラ猫~♪』(サザエさん主題歌・作詞:林春生/作曲:筒美京平/歌:宇野ゆう子)を地で行ったこともあります。この悪さを企てるタイミングが絶妙で、私がそれらの食べ物に気を配っているときには、無関心を装っているのです。お魚?そんなの知らないもん、という表情で明後日の方を見ています。ところが、こちらが安心し、気を許した正にその隙間を縫って、さりげなく移動し、素早く獲物をゲットするのです。キミは読心術を心得ているのかい?と聞いてみたくなる程です。
このかぶの行動はニャンコだから可愛いのでしょう。もしこのような性格の人が身近にいたら、ちょっとお付き合いをどうするか考えてしまいますね。キミはほんと、ニャンコで良かったねぇ。そして野良時代に飢餓状態にまで追い込まれていた経験もあり、人からの愛情を目一杯受けたいんだよね。栄養が行き届いた艶々の毛並みのかぶは、我が家の10匹の中で一番大きく成長し、一番の甘えん坊で、そして一番気が抜けない存在として今日も君臨しています。