役員メッセージ 生きていくTips

かつ便りNo.176 ~目的を明確に~

 

 みなさま 田中かつゑです。爽やかな朝、階下のニャンコたちに会いに行くと…自分たちで飲み込んだ毛を吐き出した後があちこちに…抜け毛とそれを吐き出す季節がやってまいりました。ま、毎日雑巾掛けをさせて頂いていると思えば良いのですけどね。床も綺麗になるし(トホホ)。

 先日、第二新卒に当たる方との面談を実施しました。その時、「これは、今後面談を受ける予定がある方にはお伝えしておいた方が良いな」と思う所があったので、今日はそれらを記してみます。

 就職面談に臨む方は、目的が「その会社から内定をもらうこと」であることは、はっきりしているはずですね。であれば、面談の下準備として、以下をまとめておくことをお勧めします。面接官の人にこんなことを聞かれたことはないですか?


<<面接官は面談者のここを知りたい>>

✓ 志望動機(この会社で自分が何を目指しているのか。目標は何か)

✓ 得意なスキル(例:会計事務・レポート作り・EXCEL等。何故得意になったのかも添えて)

✓ 自分の強みと弱み(ストレス耐性の有無、逆境の乗り越え方など)

✓ チームとしての仕事と個人の仕事の好み(どんな職場に配置されたいか)

✓ この会社のどこに興味を持ったのか(Webサイト読んでおきましょうね)

そして、面接官はこのような話をしている正にその時にも、面談者の目の動き、姿勢、足を組むか否か、身体ののめり込み具合等、その人の会社に対する関心度を見ています。
どの「知りたい」項目も、ご本人がその会社に合っているか、そして今後も伸びる素養があるのか、周りと上手くやって行けるのかという、判断軸に則っているのです。

 実は先日の面談者は、上記の全てに対してちょっと疑問に思う所があったのです。具体的には、

✓ 志望動機⇒
会社名をどこにしても文章が通るようなありきたりの動機。
面談者:「御社のIT技術に将来の可能性を感じ、自分もその1員として活躍したいと思いました。」

✓ 得意なスキル⇒
面談者:「データーベースです。」 
私:「そうですか。ご自分でどのくらいの容量のDBを作成・扱えますか?」 
面談者:「20行くらいですかね。」 
私:「……。」(それはEXCELの小さな表ですね)
私:「ちなみにどのデーターベースが得意ですか?」 
面談者:「さあ、ちょっと分からないです。」

✓ 強みと弱み⇒
面談者:「強みは何事に対しても諦めずコツコツと努力する所です。」 
私:「それはすごいですね。ところで職務経歴書に『XXX資格取得予定』とあるけど、これはもう取得しましたか?」 
面談者:「ああ、面倒くさくて進んでいません。試験も受けていません。」

✓ チームか個人か⇒
面談者:「チームの中でバリバリ活躍してリーダーになりたいです。」 
私:「リーダーになってどんな仕事をしたいの?」 
面談者:「リーダーってカッコイイじゃないですか。」

✓ 当社に対する興味⇒
面談者:「取締役のブログを読んで、自分を育ててくれそうだと思いました。」 
私:「……。」

この面談で、私はその方に対し、ITの会社で自分の持っているスキルに磨きをかけて成長したいのではなく、ちょっと経験がある分野のITで手取り足取り教えてもらい大成したい、と宣言をしに来たように思えてしまったのです。

先ほどの判断軸と比較すると、この方はこの会社とご自分が合うかどうかは考慮しておらず、自らスキルを磨くのには課題があり、他のチームメンバと上手くやって行けるかには疑問符が3つほどついてしまいました。面談結果はみなさまのご想像通りだと思います。

 環境を変える、職種を変える、人間関係を変える。そのどれもがかなりのストレスを伴う行為だと思います。同時にそれらを「変える」のにはご自身なりの目的や目標があろうかと思います。先ほどの例で書かせて頂いた面談者の方も、

  • 何故自分は転職活動をするのか。その目的は何なのか。スキルアップ?人間関係の再構築?労働環境の改善?ライフスタイルの変更?など、まず転職における優先順位を明確にする。
  • 会社のメンバに加わったとしたら、どんな位置づけを目指すのか。そのために自分はどんな努力をして、いつまでに何を達成するのか、をはっきりさせる。
  • 未経験分野への挑戦だとしたら、自分なりにどんな準備をしてきたか。未経験ながらでも何に興味が持てて、その対象のためにどんな努力をしてきて、今後も何を努力するのかを具現化する。

が出来ていれば、今頃私たちと机を並べ、業務に勤しんでいたかもしれません。

 どんなことでも下準備はとても大事です。目に見えない隠れた努力ではありますが、その準備を丹念に出来る人は表舞台に立っても堂々とし続けられます。努力は人を裏切らない、はある程度本当だと思います。面倒くさい下準備。誰にも認められないと思いがちなその行為。お家の基礎と一緒でとても大事な行いで、なおかつ地道にその方の人格形成の礎となって行くのだと、様々な人を見ていて痛感しています。