みなさま 田中かつゑです。ペットにも人と同じように嫉妬心があることは、飼った経験のある方々なら頷いて頂けると思います。我が家のニャンコで一番それが顕著なのが最年長の仔。遠慮も他の仔への心遣いも何のその、自分がおかあさんの膝に座るため、喧嘩まで吹っ掛けることもままあるのです。平和にいきましょうよ…。
ここ1年程、観光地ばかりでなく様々な場所で海外から旅行にいらしたであろう方々を頻繁にお見受けするようになりました。特に「体験型」と言われるレジャーに驚きつつも楽しんでいる方々を見かけると、こちらまで微笑ましい気持ちになれます。そして、我が愛する登山の現場でもそれは顕著なのですが、時々ハラハラする場面に出くわすことが多くなりました。これは海外の方々のみならず、どんなに低い山に対してでも登山を試みる場合に、是非とも心に留めて頂きたい事です。どうぞ、みなさまが安全に安心に登山を楽しんで頂けますようにとの気持ちも込めてここに記します。
別名「あめふり山」と呼ばれる人気がある山を例にします。初夏の季節でも、1,200m強の高度がある山頂は、地上とは15度ほどの気温差もめずらしくありません。登山口からは往復で4時間以上かかる山なのですが、途中までケーブルカーに乗ると、往復が2時間半から3時間程の道のりになるため、お手軽登山だと錯覚してしまう方もいらっしゃいます。実はこの山は遭難者がとても多く、2023年は52名の方々が、疲労・脱水・滑落・道迷いなどで山岳遭難救助隊の方々にお世話になっています(県警察署発表資料より)。それというのも、この山はハイキング気分で登れるほど甘くない顔を持っているのです。傾斜がきつく岩地も多いため、とても歩きにくく、スニーカーなどでの登山は危険を伴います。また、「あめふり山」の別名の通り、天候が変わりやすく、平地が晴れでも頂上付近は濃霧や雨であることも日常茶飯事です。そのため、雨具などの装備品も必要で、侮ることができない場所なのです。
その山に、午前8時に登山開始を目指して出発した日、色々と危なっかしいハイカーを目にしました。こんな方々です。
- 服装:
- Gパン(汗をかくと足に張り付き動きにくくなる)
- スカート(周りの木々や岩などに引っかかり危険)
- Tシャツ(汗をかくと身体に張り付き、濡れたままなので自身の体温を奪う)
- 底の凹凸が少ない靴(岩場やぬかるみで滑る)
- 所持品:
- 手ぶら(登山路には自動販売機はありません)
- ペットボトルを抱える(両手が自由にならないと、つまずいたときなどにけがをします)
- ショルダーバッグやハンドバッグ(両手が…同上。両手が自由になり身体にフィットするリュックが良いです)
- 入山時間:
- 午後(陽が暮れる前に下山が完了できるのか他人事ながら心配・・・)
- その他:
- 休憩を取らない(ご自身の体力を過信なさらぬ様)
- 水分を取らない(脱水になってしまいます)
- 行動食を持たない(身体がばてて動けなくなります)
- 地図を持たない(迷います…) 等
警察の方のお話しを抜粋します。「多くの遭難者は初心者で、登山計画書の存在を知らない、登山地図や登山アプリを携帯していない、夜間用装備やレインウェア、防寒着など、必要装備を用意していない、といった問題点があります。」
普段、何でも揃い、どこに行くにも乗り物が伴える環境にいる私たちは、
- 電気が通じていない
- 通行手段が自身の足しかない
- 自動販売機を含め、どんな店も存在しない
という、状況で困惑した経験が非常に少ないです。そのため、自分の体力の限界を知る機会も、自然の環境に上手く適応するという事にもまだまだ不得手だと思います。その未知なる領域に関しては勘所が効かない、目測が外れるということは当然起こりうるのですが、それすら予測範疇外かもしれません。
一説によると、登山での歩行は平地のジョギングに相当する運動量なのだそうです。そしてジョギングと異なることは、その運動が数時間継続する、上りと下りで使う筋肉が異なる、踏みしめる足元がおぼつかないという事でしょうか。トータルの運動量もかなりなものだと思います。その運動量の多さから確実に起こりうる現象は、大量の発汗とカロリーの消費。そのため、それらを補うエネルギー源の炭水化物や甘いもの、水分と塩分はとても大事な登山のお友だちになります。そして、身体の負担を少しでも減らすために速乾性の服で汗を逃がし、溝が深い厚底の靴で悪路からのダメージをやわらげ、いつでも四肢を自由に動けるようにするのが、自分自身を守る登山時の備えだと思います。
これから登山をしてみたい方、是非「登山 準備 初心者」などのキーワードで情報をお調べすることをお勧めします。
また、今回は登山を例にしましたが、どんな案件・状況でも「備える」ことは本当に大事です。ご自身のために何事にも事前準備を怠りなきよう。こと安全に関しては、後悔先に立たず、より、杞憂、の方が嬉しいではありませんか。