みなさま 田中かつゑです。一匹のニャンコがリンパ腫を発症しました。10歳。まだまだ元気な盛りですが。現在毎日の皮下点滴と合併症予防の抗生剤、そして利尿剤を処方し、命を繋いでいます。あと一週間か二週間か…命の限りこの仔は生きよう、と頑張り続けます。
ニャンコと一緒に暮らして、もう35年になります。そのため、様々な理由で虹の橋を渡った仔を見送りましたが、どのニャンコにも共通していたことがあります。それは、
- 何故だか冷たい所に居たがること(冬でもです)
- 普段の習慣を頑なに守ろうとすること
- いよいよ最期となる時(飼い主が外出していた場合)帰宅するまで待っていてくれたこと
推測なのですが、我が家の仔たちは「虹の橋を自分が渡る」とは最後まで思ってなかった感じがしてならないのです。その位、生きようと、していた様に思えます。
実は今まで虹の橋を橋を渡った仔は仔猫を入れると8匹。そのうち老衰はたったの1匹。他の仔は全て病気あるいは先天性障がいでした。たとえ、家の中だけで暮していたとしても、人間と同じようにニャンコも様々な病気にかかります。それは、予防できるものであったり、不可抗力であったり…本当に人が病気になることと似ていると思います。生き物である以上、このリスクは付き物であり、そしてそれに伴い、飼い主の経済的負担もかなり重くなるという現実もあります。なんせ人間の様に保険が利きませんから。
また、動物は私たち人間とのコミュニケーション手段として「言葉」を持っていません。ノンバーバルコミュニケーションとなるため、こちらがしっかりと普段の彼らの様子を把握して、「何かおかしい」兆候を目ざとく見つけることが、必要となります。具体的には普段の、食欲・水を飲む頻度や量・排便と便の状態・排尿の頻度や量・元気さ加減・毛艶・鳴く頻度、等等々。観察あるのみです。
(今回リンパ腫を発症した仔は10日程前から徐々に食欲が落ち、食べなくなった時に病院に連れて行ったのですが、レントゲンと超音波検査で病気がわかりました。)
今その仔(No.100 ああちゃん)は冷たく感じるガラスのテーブルの上で、一日ぐったりとしています。なのに、「ご飯よ」とみんなを呼ぶと、よろよろと食事をする場所まで歩いてきます。一時はご飯を目の前に置いても「食べられないの…」とうつむいていましたが、皮下点滴でほんのちょっと(多分一時的に)元気が出たのか、すこーしご飯を食べるようになりました。みんなと一緒が良いのでしょう。
ご飯が終わると、微かな量の水を飲み、またガラステーブルに登って身体を伸ばします。4.6㎏あった体重も今は3.6㎏を切りました。毛も艶が無くバサバサです。骨が浮き出て、見ている私が辛いです。
けれど、ああちゃんは、生きようとしています。それが彼の生きる目的だから、という思いが伝わってきます。私はああちゃんの頭を撫でながら、お尻ポンポンをしながら話しかけます。
「ああちゃん、いい子だね、いい子だね。おかあさんはああちゃんが大好きよ。」
ああちゃんは、小さい声ながらお返事をしてくれます。この蜜月時間はもうほとんど残っていないでしょう。
今後私のニャンコたちは、理由は何であれ順番に虹の橋を渡っていくことが現実として捉えなくてはならない時期に入りました。一匹一匹との時間を大事に、そして一番大事なのは、私が先に橋の向こうに居る先住たちに会いにいったりなど絶対にしないよう、ちゃんと全員を見送る、ことが、自分のミッションとなるのです。年齢的にも彼らの後、私が次の世代のニャンコと一緒に暮らせることはほぼないと思います。今の彼らが幸せに「生きる」という目標を長く達成できるよう、精一杯お世話させて頂きます。