役員メッセージ 家族、友人、周りの方々との関係

かつ便りNo.188 ~夏の思い出~

 

 みなさま 田中かつゑです。猛暑の中、にゃんこの寝姿が段々と伸びてきます。うつ伏せで身体を伸ばしたり、バンザイをしていたり、冷たい(?)家具に身体をつけていたり。特に女の子が仰向けプラス大股開きで寝ていると、何故か「あられもない」と感じでしまう私は変なのでしょうか。

 学生の方々が夏休みに入ったため、通勤時に電車の混雑をそんなに感じなくなりました。少しゆったりとすると共に、この時期になるといつも、子供たちが小学生の時、学童保育(放課後児童クラブ)に通っていた頃のことを回想します。

 学童保育をご存じない方のために少しご説明させて頂くと、そこは市の許可を受けて、放課後の時間帯に養育する保護者が仕事などで不在となる家庭向けに、学年の隔たり無く児童を預かって下さる場所です。場所は校舎の一画だったり、一般の住宅を賃貸していたりと状況によって異なります。利用できる児童の学年も小4まで、あるいは小6までと地域によって異なります。

 そして、思い出すこと。それはお弁当・水筒・着替(水着・タオル込)の3点セットなのです。学校が長期お休みとなる期間、児童は朝から夕方まで学童保育で過ごします。そこには人数に応じて指導員が居て下さる訳ですが、私の子供たちが通っていたそこは、「父母の積極的な協力が不可欠」というベースがあり、手が空いている、空いていないに関わらず、かなりの頻度で父母が学童保育の活動に関わっておりました。当然通う際の上記3点セットは義務でして、万が一忘れたりしたら、子供は一日ひもじい・辛い日を過ごすことになります。

 普段は大人のお弁当しか作っていない私は、暑い暑い夏休みの【子供向け】お弁当と言うのがとても苦手でした。その理由を今だからここに書けます。子供たちの嗜好はこんな感じだったのです。

  • 娘が卵焼き嫌い
  • 娘がハンバーグ嫌い
  • 息子が冷凍食品嫌い
  • 息子はパンが好き/娘はご飯が好き

上記を見てお分かりになりますでしょうか。メニューに工夫が必要なのと、パンとご飯のバランスを取ってのお弁当作りが必要になります。しかも冷凍食品使用不可。母の手間はグンと増えます。

加え、暑さ。学童保育の冷蔵庫には全員(40名位が通っています)のお弁当は入らないため、食中毒の回避に保冷剤は必至です。ところが、結構な割合で子供たちが使い終わった保冷剤を忘れてくるのです。(お陰で今でも我が家の冷凍庫には沢山の保冷剤が鎮座しております。)

 動き回る子供たちは本当に沢山の水分を吸収します。そのため氷入りの大きい水筒が必要です。子供達には麦茶かほうじ茶を飲ませていたため、毎日2~3リットル分のお茶を煮出し、冷やしておきます。同時に氷もすぐになくなるため、冷蔵庫の製氷スペースでは足らず、コンビニで調達することもしばしば。

 沢山動く子供たちは、当然ものすごい量の汗をかきます。着替えは一組ではとても足らず、2~3組。タオルも数本は必要で、全て名前入りです(犯罪に巻き込まれないよう、名前は服の裏側に書いたり、タオルは名前の代わりに刺繍等で見分けがつくようにします)。水着に関しては、毎日プールに行く可能性を考慮して、帰宅後すぐに洗濯・乾燥です。

 これら3点セットのお陰で、子供たちの夏休み期間は私の雑務が普段の日々より確実に増え、追い立てられていたような気がします。朝の大人+子供のお弁当作りから始まり、夜は一気に増えた量の洗濯、そして水着は必ず洗って干す。終わったらお茶の煮出し。また、学童保育の行事時には極力参加。父母の方々は全員お仕事をなさっているので、みんなで協力し、出来る方が出来ることを自ら進んで行う必要があります。ちっとも夏【休み】じゃないなぁ…とため息も何度か。

 そしてとどめが、お盆の期間。指導員の方々も当たり前なのですがお休みを取得するので、当然学童保育は休みです。この期間、親も仕事がお休み出来るのであれば良いのですが、職種によっては、それも叶わない事があります。その場合父母間で調整しあい、場合によっては半日や一日よそのお子さんを預かることも。ここは持ちつ持たれつなので、快く引き受けます(父母の中には習い事や塾に通わせることで、リスク分散をしていた方もいらっしゃいました)。

 そして、夏休みが終わるころ。学童クラブの児童たちはこんなことが出来るようになったのです。

  • けん玉を扱いながら曲に合わせて踊る
  • 駒回しプラス駒の綱渡り
  • フラフープ
  • 竹馬で走る
  • 包丁を扱って料理を作る
  • 手縫いのバッグを作る

指導員の方々に脱帽です。本当に毎日のご指導ありがとうございました。

 あの怒涛の様な日々は、もう忘却の彼方となりました。子供たちも独立した今、学校の長期休みは私には縁遠い存在となっています。けれど、このお休みの期間中に、ユニフォームと大きいバッグを持って移動している中学生や私服ではあるけれどテキストなどが入っているであろう重たそうなバッグを抱えている高校生、さらには中学受験のためか、某塾のリュックを背負っている小学生等を電車で見かけると、保護者の方々の準備も大変なのだろうなと、昔の自分を思い返したりもします。振り返ってみると、とても大変だったけど、空になったお弁当箱を洗う度、大量の洗濯物を取り込んで畳む度に、子供たちも夏休みでまだまだ保護者と一緒に居たいだろうに、毎日頑張っているんだなと思い、私も頑張らねば、と元気をもらっていた期間でもありました。

 月日は流れ、ハンバーグが嫌いだった娘がステーキハウスのハンバーグをぺろりと平らげるようになった高校時代や、パッチテストでアルコールに弱かったんだよと報告してくれた息子と飲みに行けたこと等、大きくなった子供達と一緒に過ごした思い出も断片的に浮かびます。

 今年のお盆も彼らは帰省してくれます。でもあと10年も経ったら、毎年律儀に帰省してくれたこと自体も、もしかして懐かしい思い出になるかもしれません。そうなった時に寂しさを感じないように、今から何かしらの準備が必要なのでしょうね。暑中お見舞い申し上げます。