みなさま 田中かつゑです。先日8ニャンの健康診断に行ってきました。個性もあり、そこそこだったのですが、1匹だけ…1年間で1キロ増量の仔が。お医者さんからは苦笑いと共に、「みんなと同じ量のご飯を食べているんですよね…?」そうなんです!何故太る???
近所にとても感じの良いご夫婦がお住まいです。お二人とも80歳を超えていて、ご主人は少し聞こえが不自由。でもお会いするとお元気にお声がけいただき、毎回嬉しくなってしまいます。そこの奥さまがとても素敵な方なので、ご紹介したく筆を執りました。
初めてお声を交わしたのは、ご多分に漏れず猫がきっかけ。奥さまは私から見ると「猫使い」ともいえる特技を持っていらして、彼女のお宅にはいつも地域猫が集まっています。猫にご飯を上げるとき、遊んであげるときの奥さまの目はとても優しく、見ている人まで微笑んでしまいそう。奥さまの周りの空気はいつも暖かな陽だまりのような感じです。
ある時、奥さまの頼まれものを私の買い物ついでに調達したことがあるのですが、お礼にと、それは大きな大根をくださいました。恐縮している私に奥さまがささやいた言葉。
「助けて」
私が遠慮しないようにと、気を使って頂いたのはよくわかります。でも、私だったら「もらって欲しい」旨は沢山言えますが、「(自分たちだけでは食べきれないから代わりに食べて)助けて」という表現は出てこないと思うのです。相手に負担と思わせない言葉の選び方に、とても感動したことを覚えています。
また、奥さまのお庭で外猫暮らしをしていた仔の一匹を、私が引き取った時のことです。その仔は右目が見えていない様で身体も小さく、他の外猫に比べると生き延びるのが難しそうだねというお話を二人でしておりました。なので、我が家の仔にしたのですが、「猫が元気かどうか心配なので見に行く」と奥さまが訪問してくださったのです。ひとしきり、その仔と遊んで、「環境に慣れたようで安心したわ」と奥さまはお帰りになったのですが、ふと気が付くと部屋の隅に冬菇椎茸が沢山!奥さまは私が椎茸を好きなのを覚えていて下さり、わざわざ届ける口実を作ってくださったのだろうと思います。
奥さまはとても早起きのご様子で、私が通勤でお宅の前を通る七時過ぎには、既にお洗濯ものがひらひらと風に舞っています。朝ご飯を食べたであろう外猫達は、めいめい奥さまのお家の庭でくつろいでいます。雨の日や悪天候の日、猫達は奥さまのお家の中で避難しているようで、安心します。
「本当は猫好きじゃないのよ。それに年を取ったから飼えないの」と言いつつ、猫達に予防接種を施し、ご近所の方々をいつの間にか仲間に引き込み、皆で外猫を可愛がるような環境を創り上げてしまう。そんな奥さまが私には魔法使いのように見えます。
ご主人もお耳は不自由なのですが、いつもニコニコと明るく、大きな声でご近所の方々にご挨拶をしながら、公道のお掃除に勤しんでいます。なので、この界隈はゴミが見当たらなく、道路の隅側溝沿い10メートル位の距離にはいつも季節の花がさりげなく咲いています。そのお世話は当然ご主人。道行く人に楽しみを与えてくださいます。
いつも、幸せをくださるばかりで申し訳ないと思い、こちらからお土産などをお渡しするのですが、お返しが倍返しになってしまい恐縮なので、この頃は猫に関する事に限定しています。そして、奥さまにもし何かあった場合は、私が外猫全てを引き受けることをお約束しています。
そのくらいしか私にはお役に立てそうもないのですが、私としてはこの素敵なご夫婦がいつまでもお元気でいらっしゃることをずっと祈りつつ、今日も猫談議に花を咲かせるのです。