みなさま 田中かつゑです。数日前、我が家に遊びに来る三毛ニャンコを保護しました。今日はその時のお話です。ノラちゃんは皆過酷な環境で、それでも生きることを目標に、今日も生き抜いています。
何度も書いていますが、我が家には8匹のニャンコがいます。様々な事情で野外に放置された仔を引き取り、あるいは捕獲して、大きな家族になっています。中には病気を持った仔もいますが、他の仔と生活圏を離すことで平和な日々を過ごしています。
ある時から、一匹、また一匹と我が家に遊びに来る仔が現れました。幸いにも一戸建てなので、ご飯と暖かな寝床を用意していると、そこでくつろいでいます。慣れた頃合いを見計らい、我が家に招き入れておりますが、数日前の三毛ニャンコもその中の一匹です。そして、この仔が理解したであろうことと、その行動が今日のお話です。
彼女(三毛ニャンコは殆どが女の子です)は夏に、初めて姿を見せました。痩せこけていて目がオドオドしており、人を寄せ付けません。そこで食べ物とお水、座布団を用意し、段々と我が家に来ればご飯が食べられ、仮眠できることを分かってもらうようにしました。最初は警戒心丸出しだった彼女も、私が危害を与えないことを理解したのか、朝晩のご飯の時間にお行儀よく外で待っている様になりました。その頃から彼女の毛並みが悪い事を心配していましたが、10センチでも近づくと、サッと逃げてしまいます。そんなつかず離れずの状態が数か月続きました。
そうこうしている間に夏が終わり秋も深まり、もうすぐ冬。彼女が何歳なのかはわかりませんが、小さな体でおそらく何らかの病気を持っているあの感じでは、冬を越すのは厳しいだろうと思われました。段々と警戒心もほぐれていったのか、この頃は間口から部屋に上がってご飯を食べるようになったので、今しかないと決心。彼女がご飯を食べている一瞬を突いて、出入り口を閉めました。
この時、彼女には私がおそらく非常に恐ろしい存在に見えたのだと思います。そこからの抵抗は野生動物が自らの命を守るために闘う姿そのもの。彼女の武器は鋭い爪と牙。ご多分に漏れず、私も堪能させて頂きました。捕獲後、(病院で検査を受けないと他の仔と同じ空間に置くわけにはいかないので)彼女は3段ケージにて過ごしてもらい、私は動物病院を予約します。彼女は一晩中鳴き続けました。哀願と恫喝と悲しみ。それらがこちらにも伝わります。自分がどうなってしまうのか、不安で怖くてどうしようもなかったんだと思います。
翌日、彼女はまだ私を敵だと思っています。ご飯は食べ、トイレも出来ましたが目がまだ怯えと敵対心で光っています。(病院に連れていけるんだろうか…)こちらは声のトーンを高くして(猫は高い声の方が好きです)ゆっくり話しかけ、彼女のそばでケージ越しに他のニャンコを抱っこする事で、敵ではない事を示します。そろそろと、彼女に近づき(もちろんグローブをはめて)しっぽの付け根を優しく撫でます。良い仔ね、と話しかけながら。焦らず、ゆっくり。彼女の受け入れ具合を観察しながら。
すると…撫でさせます!彼女の中で私に対する認識が変わった瞬間です。身体の震えも止まり、手足を伸ばしてくつろぎ始めました。
その次の日、病院に連れていき、(やっぱり!)病気の治療を開始し、帰宅して、またケージに。病気が他の仔に移るものだったので、完治まで一ヶ月くらいはそこで暮らさざるを得ませんが、段々と落ち着いてきました。身体を伸ばし、声のトーンも甘えた感じです。私のことを「こいつは大丈夫だ」と思ったのが解ります。その証拠に何と彼女から甘えてくるではありませんか。すりすり、ゴロゴロ。モードチェンジが完了しました。今後はどんどん甘えん坊になっていくと思います。
- ご飯をくれる(飢えることがない・ご飯が美味しい)
- 危害を加えない(安心できる)
- 暖かな寝床がある(ぐっすり眠れる)
- 可愛がってくれる(嬉しい)
- 病気(体の不具合)から解放してくれる
今まで大変だった分幸せになろうね。これで我が家のニャンコは9匹になりました。
Aline DasselによるPixabayからの画像