みなさま 田中かつゑです。ニャンコたちの首輪を新調しました。9匹もいると色選びが大変で、各ニャンの毛並みとにらめっこしながらお似合いを探します。一匹だけ首輪の所の毛が生えなくなってしまった仔がいるので、彼女はそのままで。早く元に戻ると良いね。
前職の時、「好きなことをやりたいので転職します」と去って行った人がいました。その方が今どこで何をしているのかは存じませんが、その「好きなこと=仕事」って成り立つの?が今回のテーマです。
まず、仕事とは対価を伴うものです。好きなこと=仕事が成り立つのであれば、自分が好きな事を実行すると、対峙する人や企業が自分にとって満足のいくお金を支払ってくれるという事になります。素敵なお話ですが、これ、成立するのでしょうか。(芸術家・歌手・俳優など・自分に才能がある人は、その好きなことが仕事になっているよ、という反論は承知です。でも表舞台に立つ方々は決して裏事情を晒すことはないので今回は触れません。)
まず質問です。このブログを読んでいらっしゃる方の中で、本当に「好きなこと」だけを仕事にしている方はどのくらいいらっしゃるのでしょう。私は皆無と予測しています。何故か?では、仕事というものをかみ砕いていきましょう。
例えば、私の趣味がアクセサリー作りで周りのお友達からとっても好評のため、これを仕事にしようと思い立ったとしますね。その場合どんなことが必要か列挙してみます。
- 商品の品揃え:これは楽しい!いくらでも作ります。
- 価格付け:直原価・間接費・営業費用・輸送費などを加味し決定します。ここまではまだ楽しいかな。
- 販路検討:口コミ?web販売?どこかに持ち込む? あれれ…?どうしよう一人じゃできないかも…
- 仕事の形態:個人事業主?会社設立? なんか難しそう…
- 登記・税務署(国税/県税/市民税)・保険関係(労働保険/年金保険)他:お手上げ!誰か助けて!
~すったもんだで個人事業主としてスタート~ - その後も経理のお仕事、税金関係の書類作成と提出、決算時の書類作りなどなど、多種多様な事務処理がついて回ります。またビジネスが軌道に乗らなければ今までの投資が無となり、場合によっては倒産の危機に…
こうしてみると、好き(アクセサリーを作る)と仕事(自分の生活の糧にする)の間には大きな隔たりがあることがお分かりになるかと思います。好きなことを仕事として成就させるためには、その周りの好きではない(もしかしたら嫌いかもしれない)付帯仕事がついて回ります。そして、好きなことを仕事として実現するためには、その周りも受け入れこなし、場合によっては得意なパートナーを探していくことも不可欠なのです。
もう一つ。あまたのみなさまに当てはまると思いますが、特にどこかの企業の従業員の方。率直に言えば、その企業に恋い焦がれて入社した方は絶対数として少ないと思います。仮にそうだとしても入社後に、こんなはずではなかった、と思う事が沢山出てくると思います。でも、みなさまその企業で、まずまず、もしくは活き活きと働いていらっしゃいますよね。何故ですか?
答えは簡単です。その仕事を好きになったから、もしくはその仕事が嫌いではないから。
世の中には数えきれない程の仕事がありますが、その中のどれかが自分の求めている仕事だ!というのは、ほぼ幻想と思った方が良いと思います。仮にそれを求めるのなら自分で創り出さなければなりません。けれど前述したように好きなことを仕事として実現するためには、好きではない沢山の事がついて回ります。それが仕事なんです。
逆に最初は好きでもなんでもなかった仕事でも経験を積み、奥深さを知っていくうち気がついたら月日がたっていて、その分野の第一人者になっていた、と言うのもよく聞く話です。
「好きを仕事に」から「仕事を好きに」の方がしっくり来るなぁ、というのが仕事人生ビンテージの私の感想です。