みなさま 田中かつゑです。ニャンコたちにもマイブームがあるようで、ある仔はお昼寝の場所を決めています。他の仔がその場所を占領していると、「どいてよ~!」と怒り出します。あのね、他にもお座布団は沢山あるでしょ?そんなに怒らないでね。
先日、お仕事が人生の大半を占めているのでは?と思われる方と会話をしていたら、「仕事を辞めたら何をするか」という話題になりました。その壮年時代をどの様に過ごすかに対し、とっても対照的なお二人が今回のお話です。ちなみに両方とも男性です。
1人目の方はオシャレで、いつもパリッとした服装をしてらっしゃいます。趣味はジョグ。ホノルルマラソン出場が目標とのことです。お仕事は格好よくこなし、奥さまとお嬢さまの3人プラスワンコで家族旅行にも頻繁に行く、羨ましいような人生を歩んでいます。その彼が、自分は仕事を辞めたら、何をしていいのかわからない、と言い出したのです。彼の年齢は60代前半。そろそろリタイアが現実に見えてくる時期です。そのため、呟いた言葉が妙に現実味を帯びて響きました。そう思っていたのですね…でも、彼は趣味もあるし、家族とも仲が良くペットも飼っている。仕事から卒業しても充分興味があることに時間が割けるのでは?とオウム返しに思ってしまった私は愚かでした。よくよく彼のお話を聞いてみると、「仕事」という言葉が「社会に貢献し、自分の存在意義を見出せる場所」であることが分かったのです。もっと言うと、「消費するだけの立場ではなく生産する立場でもいたい」という欲求とでも言いましょうか。
そう考えると、彼の心模様も想像できます。第一線を退いた後でも、何かしら能動的に仕事という自己実現を成しえたいのでしょう。それなのに、今まで何の準備もしてこなかった自分に憤りを感じている様子なのです。
2人目の方のお話です。還暦に近い年ごろになってから、何故か料理教室に通い始めました。私の記憶ではその方は料理おろか、包丁すら握ったことがないはず。不思議に思い理由を聞くとこんな答えが。「高血圧の持病と上手く付き合いながら美味しいものを食べたい。料理の工程は複数なので脳や手先を使うので老化防止になる。料理ができれば外食の頻度も減りお財布にも優しい。」なるほど!そして、その男性は齢65を過ぎた時に自宅のキッチンをちょこっとリフォームして、男性向けのお料理教室を開いたのです。なかなか盛況だとか。きっと、ご自分が初心者として料理に臨んだため、同じく初心者の方がつまずくプロセスを掴んでいたり、男性が作りたい料理をご紹介できたりするのですね。教室を続けることで新しい人脈が増え、楽しみながら自分の健康を管理でき、メニュー考案や開催準備に精を出すことで、知らずに体力もついたとその方はおっしゃいます。良いことづくめですね。(実は彼は、奥さまが入院なさったことがきっかけでお料理を始めたのが本音だそうです。入院は2ヶ月に渡ったため自分の事は自分でやらざるを得なかったのに、何もできない自分が情けなくなった、とおっしゃっていました。でも、結果オーライですよね。奥さまも彼の料理を美味しく召し上がっていらっしゃるご様子です。)
いくつになっても「今日が一番若い」は本当です。その若さと共に自分の未来を形作っていくのは他ならぬ自分自身です。そして、どんなことをするのにも調査・準備が必要です。それら前段階も踏まえながら長い目での自己実現に楽しみを見い出せ、そしてそれが何かの形で社会に貢献出来ていたら、素晴らしい事だと思います。冒頭の方に私がお勧めしたいのは「犬の散歩代行業」。大型犬でしたら、ご自身のジョグも堪能でき一石二鳥ではないですか。短絡すぎですか?