役員メッセージ

かつ便りNo.92 ~芯がある人~

 

 みなさま 田中かつゑです。暑くなるとニャンコも食欲が落ちます。涼を求めて移動しつつアコーディオンの様に伸び、名前を呼んでも耳をピクッと動かすのみ。動くことすら暑くて嫌なのかな。無論抱っこはもってのほかですよね。

 子供が親の保護下にいる年頃だと、保護者会に準じる活動に参加する機会が多くなります。色々な保護者の方々に出会え、交友関係も広がることも多々あるので、私自身はちょっと面倒だなと思いつつ時間の許す限り参加するようにしていました。今回はその保護者の中で素敵だなと思った方をご紹介します。

 その方とは息子が中学に入学した時の保護者会で初めてお会いしました。彼女はおっとりとしてはいますが、気が弱い風でもなく、ご自身の意見を上品にまとめて角を立てずに主張なさっておりました。その如才なさから何らかのお仕事をなさっているのではと推測したのですが、やはりある会社の経営に携わっておりました。ご主人と二人三脚で事業規模を拡大させるべく奮闘していらしたのです。

 偶然にも、私たち二人は「広報委員」という役目をPTAから仰せつかりました。その年度の季節毎に執り行われる学校行事をまとめ、新聞形式で情報を発信する仕事です。具体的には体育祭・遠足・校外学習・文化祭などの行事に参加しながら写真を撮り、様子をかいつまんでA3表裏程の記事を仕立てるのです。お互いに、仕事+家事+育児+αに広報委員が加わるのですから、それはもう大変。生産物が伴うため手も抜けません。事実広報委員の中には文字通り「名ばかり」の方もいらっしゃり、気が付けばいつも同じメンバで忙しく活動しておりました。

 その中で私が彼女に対してすごいなぁと思ったのは、自然に人を思いやる言葉をいつも発していることと、気を使っていること自体を気づかせない細やかさを発揮している事なのですがお分かりになりますでしょうか。例を挙げてみます。

  • 彼女は否定や言い訳の(でも・だって等)接続詞を使いません。肯定(それに加えて・なるほど)の接続詞で会話を繋げます。
  • 人の悪口は言いません。誰かがそのような話題を持ちかけると、「あら、そうなの? それでねXXXだけど…」と巧みに明るい話題に誘導してくれます。
  • 他の方のほんのちょっとした言動に対しても「助かったわ。ありがとう。」「あら、丁度これ欲しかったの。素敵なタイミングで持ってらして感謝だわ。」
  • 時折お土産を持参してくださったのですが、「みんなで食べると美味しいから」「頂きものだけど」と私たちの負担にならない勧め方をしてくれます。
  • 打ち合わせが終盤にさしかかり、片付けを…と思うと彼女が先回り。ニコニコしながら「楽しいわね。」面倒くさいなぁって気持ちが吹っ飛びます。

 ある時二人でお話しできる機会があり彼女の考え方や生い立ちなどをお伺いしたのですが、びっくりしました。彼女は実は国語の先生になりたかったそう。けれどご主人とともに人生を歩くことを決めた時、ご自分の羅針盤を「ご主人の会社の繁栄」に合わせたとのこと。そのため、直接間接問わず人との出会いと関係を大事にし、感謝の心を忘れない様いつも心掛けていると。そのことをお話なさっていた彼女は凛としてとても力強く見えました。

 たかが、と言ったら言い過ぎですが、子供の学校での保護者の集まり。ただでさえお忙しいでしょうに、いつも笑顔を絶やさず、周りを温かい空気で包み、決して偉ぶらない。彼女のような優しさと強さを併せ持つ人間になりたいな、と、もう15年以上前の交友関係ですが未だに彼女のことを灯の様に思い出すのです。