先を読む、をテーマに連載中ですが、ある読者のかたから品質対策へのマインド維持はどうすればよいかとのご質問を頂きましたので、急遽、今回は少し寄り道させて頂きます。
人は誰しも大事にしていることがあると思います。それは物でだったり、考え方であったり、人によってそれぞれ違うでしょう。
もちろん他人が大事にしていても自分はそう思わないことや、日々生活する上で大事にしていたものが大事でなくなったり、明確な正解がないものだと思います。
例えば私が大事にしているものは、家族、友人、子供と遊ぶ時間、服、時計など、いろいろありますが、ここでは人とコミュニケーションを取るうえで大事にしていることを書いてみようと思います。
私が人とコミュニケーションを取るうえで大事にしていることは「前向きな気持ちを持つ」と「本質を探る」です。
言葉にすると小難しい人間にも思われるかもしれませんが、少し具体例をあげてみます。
仕事柄いろいろな障害を分析することがありますが、障害を作り込んだほとんどの当事者は、自分の考えや行動が悪かったとネガティブな状態に陥っています。
確かに障害を作りこんだきっかけは当事者に原因があるのかもしれませんが、個人/組織として成長するきっかけを与えてくれたと考えるとどうでしょう。
相手も含め少しポジティブな気持ちになり、目線を高くすることができますよね。
これはもう一つの本質を探るという部分にも強く紐づいています。
最初のネガティブな状態では問題の本質を探ろうとしても当事者の罪の意識が強く、当事者に対する個人的な課題解決の対策しか出てきません。
ではポジティブな状態ではどうでしょう。問題を作りこんだ行為を自分や他人が繰り返さないためには何が足りなかったのか、個人に依存せずに組織として問題作り込みや見逃しを防ぐためにはどうすれば良いのかなど、おのずと一歩踏み込んだ考え方ができるようになり、問題の本質に対する対策が検討できることになる思います。
ここで挙げたのは簡単な一例であり、実際に本質をつかむのは簡単ではありません。
しかし、私たちがお客様の要件や課題に満足する提案をさせていただくためには、本質を探るということはとても重要なファクターとなるため、今後もこだわりをもって大事にしていきたいと考えています。