テクニカル

守るもの、変えられるもの

前回、メトリクスについてのご紹介を開始しましたが、今回はちょっとお休みして品質管理に対する基本的な考え方を少し事例を交え紹介したいと思います。

私たちには、日々仕事をする上で守らなければならないルールがいろいろあります。
それは社内のルールやプロジェクト内のルールだったり、法律の場合もあると思います。

守らなければならないルールといっても、何のためにそのルールを守らなければいけないのか、目的を含めすべて理解できているでしょうか?
ものによっては「必要性、十分性はわからないけど以前からやっているから」、「これをやらないと承認が得られないから」など、本来の意図がわからずに形骸化してしまっているものもあるかもしれません。

私も過去に、以前から行っているという理由だけで前任者から引き継いだチェックリストを用いて作業を行っていることがありました。対象の作業はルーティンワークで、何年間も問題が出ていなかったこともあり、何も疑問を持たず、作業内容も深く理解しないままの作業を繰り返していたという訳です。

ある日、チェック前の作業で誤ったものが作成されてしまいました。その際も従来のようにチェックリストでの確認作業を行っていましたが、私は問題を検知することができませんでした。
そうなって初めて実施している作業の意図を深く理解し、実施していたチェックリストには欠点があり、十分な作業が行えるものではなかったと気付いたのです。

この時も既存のチェックリストをベースに、見つけられなかった問題を見つけるためのチェック項目を追加するということもできたかもしれません。
しかし、あらためて既存の作業を理解し、見直すことで、より効率的な作業にすることができたり、確実に問題を見つけられる手段を確立したり、それ以降に実施する作業をより良いものにすることができました。

今回の記事は私が過去に経験した問題を簡単に記載しましたが、是非、作業の振り返りなどを行う際は、実施することが当たり前になっている作業にもフォーカスしてみてください。目的が曖昧で形骸化しているものや、現状にあわずに陳腐化している作業をより良い形に変えることができるかもしれません。

お客様が守ってきた当たり前の作業をより良いものに変えるということは、私たちの使命そのものですね。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像