テクニカル

ITとは何か(2/4)

前回、これまでのITの進化について述べた。
そして、ITは人々の生活をも変えたことを具体例にて説明させていただいた。
これ程、大きく人の生活を変えたのは、医学とコロナとITの3つではないかとさえ私は思っている。

さて、本題である。
このように大きな変化をしてきたITであるが、実は変わらないものが3つあるというのが私の実感である。逆に言えば、この3つがITにとって柱であり、軸となるものであると考えている。
今回は3つのうち1つ目をご紹介したい。

例えば、チケット予約を考えてほしい。
ITがない、インターネットが存在しない時代のチケット予約はどうやっていたのかを考えればわかる。
(実体験がある方は、それなりの経験をしてきた、それなりの年齢の方であろう。実体験ない人は想像してみて欲しい)

インターネットがない時代は、チケット売り場まで行って対面で買うか、電話で予約して郵送でチケットを手に入れていた。
電話はなかなか繋がらず、電話を受ける側のオペレーターも大忙しである。そして、郵送されるまでしばらく待つというのが流れとなる。

ところが今は、スマホに予約アプリを入れて、カード登録をして、ボタンを押せば買えるのだ。チケットはスマホに表示されるので、チケットの到着を待つこともない。オペレーターも郵送も不要になったのだ。

運営側としても、一度システムを作ってしまえば、発売するチケット情報をシステムに入力するだけで済む。チケット売り場の家賃も不要、売り場の人材配置も不要、電話を受けるオペレーター確保(人材調達、対応マニュアル作成、教育)、支払確認、送付、などの対応要員も原則不要である。

もちろん、チケット予約の背後には、システムの監視※1、システムのメンテナンス※2を一生懸命に頑張っているエンジニアがいる。
 ※1:利用者への応答性能に問題はないか、システムが異常な動作をしていないか など
 ※2:システム障害の修正、セキュリティ強化 など

さて、1つ目のキーワードはお解りになったであろうか?
答えは「簡単にすること」である。

これまでの利用者の手間、オペレータの工数などを削減し、一気に機械化することで、購入の流れそのものをシンプルにしてしまうことである。
この「簡単にすること」が重要であり、流れそのものをシンプルにすることができて初めてITと言えるのだという意図である。

もしも、これまでの流れの通り、何も変えずに機械化しただけ(チケット売り場まで行き、購入をする。売り場の人がシステムへ入力することで、売り場のプリンターからチケットが発券される。購入者は、ここでチケットを紙面で受け取り、当日持参する)では、IT化とは言えないということである。

インターネットでの各種物品の購入についても同様である。
店舗確保、店舗要員などは不要となる。購入者にとっても多くの商品からニーズに適したものを自宅で気軽に選定できる様になった。通勤電車でもショッピングができるのだ。もちろん、欲しい物を見つけるために店舗を渡り歩く必要もないのである。(品物によっては、店舗を渡り歩くことが楽しみであるケースもあるので、利用者にとっては、選定プロセスの選択肢が増えたということだ)。

IT成長の柱の一つは「簡単にすること」、上記が私の考えである。
皆さん、どう思われただろうか?

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