テクニカル

作業予定がたくさんでどうしようもない時(2/2)

前回の続きを進めていこう。
まず、前回お見せしたタスク全体の管理の手順はこうだった。今回は項目4から進めていく。

  1.  期限と所要時間を考える
  2.  事前準備すべきことを考える
  3.  人に任せられる内容を考える
  4.  必要性の度合いを考える
  5.  順序や関連性で効率化できないか考える
  6.  並びかえ、上記をWBSにする

4. 必要性の度合いを考える

仕事には優先順位がある。よく言われるのが、重要度と緊急度で仕事を分類するやり方だ。

【A】重要で緊急性の高い仕事
【B】緊急ではないけれども重要度が高い仕事
【C】重要度は低いけれども緊急性が高い仕事
【D】重要度と緊急性が低い仕事

【A】が最優先なのは当然として、【B】と【C】は状況に応じて優先度が入れ替わることもあるかもしれない。
【C】は作業が発生したその場ですぐ終わらせられるような簡単なタスクであることも多いため、こまめに消化してため込まないようにすることも大事である。よく仕事ができる人はメールの返信が早いと聞くが、来たボールはさっさと投げ返しておかないと他の重要な仕事に差し障るからだ。
最後の【D】については他の人に割り振る、作業を自動化・効率化する、いっそ切り捨てる(必要性を再検討)などして、極力減らしていこう。

5.順序や関連性で効率化できないか考える

タスクの内容によっては、同時に実施すると効率が上がるものがある。今あるタスクの内容を精査し同時にできるものが無いか考える。
一見同時にできないようなタスクでも、別のタスクと合わせるとできる場合もあるので、タスクの関連性をよく理解する。
また、タスクによっては依存関係がある場合がある。それに気づかずにタスクを進めると進行がうまくいかなかったり余分な時間や手間が取られたりするので、タスクの内容を精査し実行順序を考えよう。

たとえば顧客先へ訪問する予定があったとする。準備のひとつとして、名刺を用意するタスクがある。では印刷しようと思っても用紙がなければ印刷は出来ない。先に用紙を注文して届いてからやっと印刷が実行できる。
この時、用紙を注文するのであれば、他に購入しなければならないものを一緒に注文してしまうと都合がいい。上司に購入品と金額の確認をするのも一度で済むだろう。
目の前のタスクだけではなく全体を見てから動くと、ムダが省け、業務効率化を図ることができる。

6.並びかえ、上記をWBSにする

以上のことから、スケジュール、タスクの優先度、実施順、担当割り振りを整理し、WBSへ落とし込もう。
WBS (work breakdown structure=作業分解構成図) は、プロジェクトを工程別、タスク別に分解し、可視化するための構造図である。ここまでの項目1~5でタスクを細分化し、リスト化出来ていると思う。これをより見やすく視覚化していく。

よく用いられるのは『ガントチャート』と呼ばれる横長のタイムラインを使用する方式だ。横軸にカレンダー(時間)、縦軸に作業内容、担当者を配置し、タスク毎に作業開始日・完了日の情報を帯状グラフに表すもので、一目で俯瞰的に全体の進捗状況を把握できるためよく利用されている。

これでタスク全体を見渡せるようになり、タスクの管理が容易になるはずだ。この時に気をつけるべきはタスクを詰め込みすぎないことである。一つのタスクがうまくいかなかったために後続タスクの予定変更が発生するようでは、タスク管理の手間が増えて余計に時間がかかってしまう。
仕事に予期せぬ事態はつきものである。あらじめ余裕を持たせて自分とチームの作業予定を作成しよう。

ということで前回から引き続き後半の三項目を説明したが、いかがだっただろうか。
この中から何か一つでも皆様のお役に立てるものがあったなら幸いである。