テクニカル

資料で説明が必要になった時(1/2)

前回までに、前後半に分けて「作業予定が大変多くあり、どうにもならない時にどうしてきたか」を説明させていただいた。
今回は、以前に予告した内容の二つ目「資料で説明が必要になった時、どのように資料検討を進めてきたか」について説明させていただこう。

事例として以下のケースを想定してみよう。

プロジェクトが始まってから半年が経ち、これまでの作業成果を一週間後にプレゼンして欲しいと上司から依頼された。 作業成果についてはチームで常に計測しているデータはあるが、どのように報告するかは指定されていない。報告内容には、これまでの作業成果だけでなく、今後どのように作業効率化を進めるかを含めて説明することが求められている。依頼されたメンバーは資料作成経験が少ないため、何をどうやって資料として整理すれば良いのか困っている。

プレゼン用の資料を作成して上司に見せたところ、「これじゃ全然わからないよ」とダメ出しされ、悩みながら何度も修正した経験は誰しもあるだろう。
本来、依頼を受けた時点でアウトプットの方向性を上司と擦り合わせる必要はあるが、ここではまずどうやって資料作成を進めていけば良いのかを考えたい。

今回は考え方の一例として、以下の手順で考えていくことにする。

  1. 報告に必要な要素を考える
  2. 起承転結の流れに沿って報告内容の骨子をまとめる
  3. 今後の進め方(全体像、スケジュール、WBS)を簡潔に資料として挿入する

1.報告に必要な要素を考える

まず、どのような情報が必要になるのかを洗い出そう。
このとき、作業成果については現時点での「想定していた目標達成度(KPI ※1)」と「実際の目標達成度」を数値にて比較して記載したい。数値で成果を表すことにより現状が把握でき、今後の動き方を決めるための材料にできる。
この段階で振り返りの課題や改善案の抽出ができていない場合は、プロジェクトの他メンバーへのヒアリングを実施して情報を集めよう。

※1:KPI(重要業績評価指標)・・・目標に対して、特定タイミング毎に想定される達成状況の度合いを数値化して計測できるようにした指標

参考までに、今回のプロジェクトが「資格取得のための勉強会」である場合の記載例を記す。

・良くない書き方の例
 皆で頑張って勉強した結果、試験にXさんが受かりました。(主観的であり、数値に落とし込めていない)
・望ましい書き方の例
 平均出席率、開始時と直近のテスト結果比較、目標達成率、資格合格数を、プロジェクト開始からの推移グラフにして表示する。(客観的に測れるものを数値で記載する)

具体的には、以下の様に出来るだけ定量化して記載すると、理解しやすい。

 達成度:合格者XX%で目標とするXX%は達成
     メンバーの点数が平均XX点上がったが、目標点数のXX点は下回った
 課題 :A分野は伸びが+XX%だったがB分野は+X%だった
     平均出席率に対してM月は出席率がX割減だった
 施策 :B分野に対するカリキュラム修正
     出席しやすい日程の見直しを実施する

メインとなる数値データが出せたら、報告に必要なそれ以外の要素を加え、これらを整理しよう。

  • プロジェクトの概要(作業内容、目的、目標、期間、体制など)
  • 作業内容の詳細(種類、件数、所要時間など)
  • 作業成果(目標達成度、開始地点からの推移)
  • 振り返り
  • 今後の改善案と施策

今回のケースでは作業成果と今後の進め方の説明を求められているので、このような内容を考えた。
資料を読む相手は誰か、知りたいことは何かを考え、載せる情報を決めていこう。

本日は項目1を説明した。
次回は項目2、3でこれらを報告資料という形式にまとめていく。