テクニカル

自律

よく年が明けると「今年の抱負は?」と聞かれる。
抱負はただこうなりたいという希望だけではなく、決意や計画を含むのだという。
つまり「あなたは今年、何を達成するつもりでいるか?」ということになるのだろうか。

私事だが、子どもが次年度中学に入学する。
中学校の説明会にてスマホの持ち込みは禁止等という話が出るのかと思いきや、なんとその中学には校則がないのだそうだ。
校長の説明によると、ルールで縛りつけたところで意味はなく、自ら学習や生活の目標を設定し、自ら考え、選択して行動できるようにする『自律』をゴールとしているのだという。

「自ら学習や生活の目標を設定する」というのは、言うほど簡単な話ではないと、おそらく皆様は実体験としてご存じだろう。
自分はどうなりたいのか、どうありたいのか。それが即答できるのであれば、貴方はきっとすでにその方向に進んでいるのだと思う。
しかし、日々の忙しさに埋もれ、ただ現状維持をしている。そんな人も多いことだろう。

「3:10:60:27の法則」というものがある。人の人生はこのように分かれるそうだ。

  • 3% 大成功者
  • 10% 成功者
  • 60% 一般人
  • 27% うまくいっていない人

分析によれば、この違いを生み出した原因は環境でも才能でも学歴でもないという。

一番多い60%の人は日々の生活に追われて、あまり先のことは考えず、半年から1年後くらいを見ている人。

次の27%は人をあてにしたり、その日が楽しければいいとなんとなく過ごしている、あまりうまくいっていない人。

10%は、3年から5年後の自分の未来を考えて、行動している人。

そして3%は人生の目標と長期的な設計図を紙に書いていて、それに向かって進んでいく人。

これを見て、自分は一般人でいいやと思う人もいるだろう。
でもちょっと考えてみてほしい。中学1年生の子供が「今が楽しければいい」「半年から1年後くらいのことしか考えない」と言ったらどう思うだろうか?
「将来どうなりたいとか、そうしたら受験はどうするかとか、少しずつ考えた方がいいよ?」と言いたくはならないだろうか?
その言葉を、ぜひ自分にも向けてみてほしい。
いま行動出来ていないことを反省したり卑下したりする必要はない。大切なのはこれからのことだけだ。
貴方の人生は貴方が責任を持つしかない。誰かのせい、社会のせいにしてみたところで、何も変わりはしないのだ。

入学時ほんの十二歳である中学生すら自律を求められる時代だ。
大人である私達も、どう生きるかについて、一度自分を振り返ってみたいものである。