テクニカル

経験を積むこと

前回「技術力を身につけるとは」として記載させていただいた。
今回は技術力とは別に「経験を積むこと」について話をしたい。

仕事場には「〇〇の事ならあの人が良く知ってる」や、 「困ったらあの人に聞いて」と、何かと頼りにされる人がいるだろう。 自分も聞かれる事はあるし、分からない事があればより知見のある人へ 相談しに行く事も多い。聞いたその場ですらすら答えを出して解決する姿を見ると やはり熟練者は違うなと改めて感心する。

さて、このように手を止めて人に聞くような事が起こる契機が何かというと

  • 何をやったらよいのかわからない
  • 何を調べたらよいのかわからない
  • 物事に対する背景を理解していない
  • 考慮するべき要素がわからない

といった具合で、 「本人がその物事について未知・もしくは知識不足であること」や、 「見知った内容についての確証が持てない状態であること」が考えられる。
つまりは「経験不足」なのだ。

ここで、日常生活を例にしてみよう。
「食料品を買いにスーパーまで車を運転して行く」とする。 以下に習熟度別に予測できる行動パターンを記載した。

  1. 場所を知らない人が初めて店へ行く場合、もしかしたら道を間違えたり、迷ってしまうかもしれない
  2. 何度か行って道を覚えている人は、店へは覚えた1つのルートを使って迷わず辿り着けるだろう
  3. 慣れた人は店へのルートを複数知っているし、渋滞リスクを避けるために裏道を使うかもしれない。

このように、物事に対する経験量によって選択する行動が変わってくるのである。

また、「昼間に買い物に行くと車道が混みやすい」、「土日は駐車場が埋まりやすい」、 「〇曜日は〇〇が安い」、「閉店時間の〇分前は総菜を割引している」等、 何度も買い物を経験をすることによって気付く要素もある。
もっとも、今はインターネット上から情報を引き出しやすいので調べる事により 「経験したつもり」にはなれるが、実際に体験する方がより深い経験を得られる。

この仕組みは仕事でも全く同じで、そう難しい話ではないのだ。
誰しも最初はどうしていいかわからない事だらけだろう。 経験を積み重ねていくことで仕事に対する理解が深まり、 効率よく作業できるようになっていく。そして経験が浅かった時は 全く頭に浮かばなかった要素に気付くことができるようになるのだ。

但し経験を積むためには、漠然と業務をこなすだけで無く 「未知を自覚」し自ら進んで積極的に自分の業務範囲を広げ、「未知を既知」にしていく必要があるため、日頃から意識して業務に取り組むことが大切だ。
日々進歩するこのIT業界にて「頼られる側」であり続ける努力をしていきたいものである。