みなさま 田中かつゑです。暖かくなるにつれ、ニャンコ部屋のオイルヒーターの活躍する時間が減ってきました。ところが、習慣なのでしょうか。夜、ニャンコたちはヒーターの周りに陣取って、まるで暖を取っているかのような格好で寝ているんです。決して寒くはないこの夜。彼らはどんな夢を見ているのでしょうね。
個体差はあるにせよ、ニャンコは大体男の子のほうが身体が大きく力も強いようで、我が家の仔たちも例外ではありません。特に中毛の「るいちゃん」(No.99)は兄弟の中で唯一の女の子、かつ、身体が小さめということもあり、他の仔に狙われやすくもあります。そして、その原因の大部分が「嫉妬」ではないか、と言うのがこの頃私が仮説として立てているものです。
今の一緒の部屋にいる6匹の関係はこんな感じですが…
前提として「るいちゃん」は、猫よりも人間の方が好きなようです。眠たい昼間でも、人間がいると嬉しくてずっと起きています。耐えられなくなって寝る時も人間の膝の上がお気に入り。猫同士の喧嘩を人間が仲裁しても、絶対に人に牙を向けません。人とのおしゃべりが大好きで、甘え上手。飼い猫の鏡の様なニャンコです。おきゃんですが、周りの仔たちと比べて身体が一回り小さく力も弱いため、喧嘩をしたらまず負けます。本ニャンもそれを分かっているため、分が悪くなると、絶叫し始めます。雄たけびなのですが、私には人への助けを求めている様な感じがして、すぐに彼女をなだめたくなっちゃいます。震える彼女を撫で続け、落ち着くのを待っていると、いつの間にかゴロゴロゴロ…いつもの「るいちゃん」に戻ります。
そんなるいちゃんが他の仔の嫉妬を買っていると、私が何故判断したのか。まさしく、人間関係に似た図が垣間見られたからなのです。
シーンその1:いたずらをした「ひな」が私に怒られました。その後、「ひな」が不貞腐れてその場を離れ、「るいちゃん」に突進していき、いきなり噛みつきます。まるで怒られた腹いせをしているかの様です。「るいちゃん」は100%被害者…。ああ、「るいちゃん」の叫び声が戦闘開始のゴングの様です。
シーンその2:「るいちゃん」は食が細く、一度に沢山食べると吐き戻しをよくします。そのため、1回の食事量を2度に分けてあげているのですが、他の仔から見ると単純に2回ご飯を貰ってる、と思うのですね。これには食いしん坊の「ああ」が我慢ならない様です。食事中は人の監視があるため「るいちゃん」にちょっかい出せないのですが、ほとぼりが冷めた頃、突然ケンカを仕掛け、猫キックをさく裂させます。ああ、可哀そうに「るいちゃん」の長い茶色のほわほわな毛が宙を舞ってます。(この後「るいちゃん」をなだめるのに苦労しました…。)
シーンその3:「へいた」は間が悪い仔で、人が忙しい時や余裕がない時に限って、抱っこしてぇと甘えてきます。また、少々抜けたところもあり、台所仕事をしている私に向かって突進してきたりします。包丁を持っている時、コンロに火がついている時など、もうヒヤヒヤ。やってはいけないことを分かってもらうため、叱ります。すると…弱い者いじめで発散したいのか、「るいちゃん」に白羽の矢を当てに行くのです。傍に行き、前触れもなく「るいちゃん」の背中を噛む「へいた」。当然怒り心頭の「るいちゃん」、以下同文…
平和な「そう」と、「るいちゃん」が大好きな「かぶ」は彼女にとって敵ではありませんが、他の仔たちは「るいちゃん」にとって、とても脅威な存在なのだと思います。でもですね、人に可愛がられている時の「るいちゃん」の勝ち誇った様な表情はちょっと見逃すことができないんですよ。まるで他の仔に見せびらかすかのような・・・そこまで観察すると、ちょっとこんな図が想像できませんか。
【人】(可愛がる)⇒【るい】(マウント)⇒【ひな、ああ、へいた】(羨ましい⇒妬み⇒攻撃)⇒【るい】
【人】(叱る)⇒【ひな、ああ、へいた】(悔しい⇒発散⇒犠牲者ロックオン)⇒【るい】
これはつまり、人から何かプラスの状態を受け取った対象者に対する嫉妬であり、マイナスの状態を回避した者に対する妬みや嫉妬の表れなのではないかと。
多分猫に限らず、動物には「自分を受け入れて欲しい、可愛がって欲しい、心が満ちていたい」と言う感情があるのだと思います。そして、何らかの理由でそれが叶わない時に出てしまう感情の行き先の1つが、嫉妬というもので、その行動の表れとして虐めや攻撃が発生するかもしれないと推測します。
私たちも自分が満ち足りていて幸せを感じている時には心安らかに過ごせますが、行き詰っている時・焦っている時・何か上手く行かない時などはどうでしょう。難なくその課題をクリアしていたり、もっと華やかな世界に居るであろう人を見ると、何故か気持ちがざわついたりすることが、そして訳もなくやっかみの気持ちが芽生えることはありませんか。私は正直あります。巷では「周りを見て比較するのではなく、自分自身を見ましょう」とか「自分だけの価値観を持ちましょう」等のご指導はありますが、一朝一夕にはとてもとても、そんな悟りを開ける心境には及びません。そして、そんな自分自身にも嫌になることもあります。
けれど、ニャンコたちの素直な嫉妬から来る行動を見ていると、「嫉妬って自然に芽生えちゃうものなんだな」と逆に安心したりもします。前述の「ひな」「ああ」「へいた」ですが、良からぬ行動をして、私に叱られた後、改めて抱っこして「君たちも褒めてもらいたかったんだね。良い仔いい仔して欲しいんだね」と頭をなで、抱っこをすると、安心した様に身体を預けてきます。
私にも負の感情が発生した時に、自分自身でクールダウンをしたり、考え方を修正するのも良いのだけど、それらをひっくるめて受け止めてくれ、包みこんでくれる大きなあったかい何かが欲しいな、と時々思う今日この頃です。(ディズニー映画のベイマックスを想像してしまいました…)